「スカパー!映画部」の企画でご招待にあずかり、

『コードネームU.N.C.L.E』特別試写会に行ってきました♪

この映画、前から見たかったのですよ♪ だって「シャーロック・ホームズ」や「ロックンローラ!」のガイ・リッチー監督に美男で有名なヘンリー・カヴィルと超ハンサムなアーミー・ハマーがW主役で出演ですもんね。


そしてその期待は全く裏切られることがなかったのです!

思っていた感じとはちょっと違ったんですが、じ~つに楽しい作品でした♪ 鑑賞中、笑い声があちこちから湧き上がるのが聞こえてくるし、映画が終わった後の会場には深い満足感が漂っているのが肌に伝わってくるしで、いい試写会でしたよぉ~♪ 


あ、映画がつまらないとさ、みんな早々に席をたつのよ、試写会でも劇場でも。見てた人がとっとと帰りたいと思ってるから。でもおもしろい作品の時はエンドクレジットが終わるまでゆっくり「おもしろかったなあ」と内容を反芻し、会場が明るくなったところで現実にかえるために座席の上でのびをしてみたり、ゆっくり荷物をまとめたりと、楽しかった空間の中になるべく長く留まろうとするのね。ホラー映画で超恐かった場合は、それよりさらに動きがのろくなったりすることもありますが、その場合は会場の空気が凍り付いているので分かります。


『コードネームU.N.C.L.E』の場合はあちこちからくすくす思い出し笑いをしながら「よかったね!」と感想を確かめ合う話し声がもれきこえる大層あったかい雰囲気の中でみなさんのんびり身支度をしていたので、本当にリラックスして映画を楽しんでいたということがよ~くわかりました。


そうなんですよ、この 『コードネームU.N.C.L.E』は、リラックスしてゆったり楽しめる贅沢な作品なんです。


同じスパイ映画でも「ミッション・インポッシブル ローグネイション」の場合は最後の最後まで手に汗握るアクションなので、見終わったあとも観客は興奮が残ったままなんですよね。「キングスマン」の方は設定がもっとぶっ飛んでいるので、見ている間はゲラゲラ笑ったり目を瞠ったりして観客忙しいので、見終わると少々疲れて若干気が抜けた感じになってしまうんです。むろんどっちもおもしろいんですが。


でも 『コードネームU.N.C.L.E』は時代が上の二作品とは違うせいもあって、見ている最中から「余裕」があるんですよ、作品中に。テンポは抜群にいいんですが、劇中の時間というか物事が60年代的に動いてますのでスピード的にはゆったりしてるんです。


この「遅いスピード感」というのは昨今では、特にスパイ映画では珍しいんですよね。というのも「ボーン・アイデンティティー」がスマッシュヒットを飛ばして以来、スパイ映画のスピード感は「ボーン」テイストが基本になったので。大御所の「007」がそれで変わったぐらいです。


ところが『コードネームU.N.C.L.E』。はそれを踏襲してないんです。だからまあ、観客は最初、戸惑います。ほら、自分の歩くスピードよりずっと遅い人が前を歩いてたら蹴躓きそうになるじゃないですか。あんな感じ。


だって、スパイ映画なのに、出てくる最新の秘密兵器が今見るとすんごいローテクっていう世界ですよ? ケータイもスマホも当然ないから電話は固定でダイヤル回すんですよ? 「小さい」のサイズ感が全然違ってるんですよ? そういう60年代を舞台に現代に通用するスパイ映画って、考えてみたら作るのすっごく困難そうですよね?


でも、それ、やっちゃったんですよ、ガイ・リッチー。それもとことんお洒落に、贅沢に。


この映画の贅沢さというのは、逆に現代では扱えないタイプのものかもしれないです。私見ていて思い出したのが、まさに60年代の映画の「黄金の7人」でしたよ。当時って、今セレブと言われているタイプのお金持ちはほとんどいなくて、「億万長者」というと雲の上の世界の人って感じでした。中でも世界でも指折りの「富豪」というと、王侯貴族に肩を並べるぐらいの桁外れの金と権力の持ち主で国も動かせる……ぐらいのイメージありましたね。特にスパイ映画の中では。


そういう富豪が出てくると、妻はそれはもうゴージャスな美女に決まっていて……うん、これが60年代テイストだわ。なんかねえ、ゴージャスの格が今とは違っているんですよ。昔の階級意識がまだ色濃く残っていて、一般庶民とは別世界に生きてるという雰囲気が内側からにじみでてくるんです。うん、これぞ60年代のスパイ映画! 


同じ時代の映画に『X-MEN: ファースト・ジェネレーション 』があって、こっちは「うん、60年代ってこういう描き方されるよね」と納得しながら見てたのですが、『コードネームU.N.C.L.E』は「そうそう、60年代に制作された映画ってみんなこんな感じだった!」と大喜びしたという違いがあります。すなわち、ガイ・リッチーが目標としたのは60年代の正確な時代考証に基づいたスパイを主人公とする映画ではなく、60年代に隆盛を極めた綺羅星のようなスパイ映画そのものを再現することだったのです。そしてそれは見事に成功を収めたわけで♪


まあね、そもそも「ナポレオン・ソロ」って映画の「007」がヒットしたから作られたわけで、ファンタジーとかSFとかまではいかなくても、かなり当時の夢と期待がつめこまれたテレビドラマだったのですよ。私、再放送で見てましたが、その時見たって「ありえね~~~!」ってガジェットがいっぱい出てくるので、絶対60年代の正確な時代考証下では作れないんですよ。ってゆーか、そんな映画作ったら、それはただの現実的なスパイ映画であって(「裏切りのサーカス」とか、ジョン・ル・カレの原作ね)「ナポレオン・ソロ」とは別物になります。


私たちが見ていた「60年代のスパイ映画」というのは、映画の終わりには悪は滅んで主人公は美女を片手に派手に生還というものですからね、そこは絶対踏襲してもらわなくてはなりません。エンドクレジットのあとで厭世的になるようなのはもういやだ(「誰よりも狙われた男」。あんまりだと思ったわ、このラスト)。


というわけで、くどくど書きましたが、これは絶対におすすめ!


『コードネームU.N.C.L.E』

ただ今絶賛上映中! 是非足をお運び下さい。


世相は暗いですが、どうせ暗いなら劇場の中で映画に浸って少しの間だでも辛い憂き世を忘れましょ。


そうそう、スカパー!ではこの映画のもととなった「0011ナポレオン・ソロ」をシーズン1から放送してくれるそうですよ。それがなんと字幕! 私は昔の吹き替えで見たいんだけどなあ……。


でも字幕でオリジナルヴォイスのナポ・ソロとイリヤも新鮮でいいかも♪ スカパー! 視聴可能な方はチェックしてみて♪


「0011 ナポレオン・ソロ シーズン1」放送情報
衛星劇場(CS219) 11/14(土)23:00~ほか>



こちら「スカパー!映画部」の看板娘サマ♪

特別試写会でも笑顔を振りまいて下さってました。

うん、こういう笑顔が生きていくのには大事なんだよね。