ラッセル・クロウ、超ストイック!映画監督デビュー作を自ら振り返る(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160228-00000009-flix-movi #Yahooニュース



第1次世界大戦中のトルコ・ガリポリの戦いから4年後、戦争で行方不明になった3人の息子たちの最期を知るため、オーストラリアからトルコにやって来た父親の底知れぬ喪失感と圧倒的な愛をつづった映画『ディバイナー 戦禍に光を求めて』で、主演のみならず、長編映画監督デビューを果たしたラッセル・クロウが、撮影の様子を振り返り、その一連の発言から作品作りに対する彼のストイックな一面が浮き彫りになった。

映画『ディバイナー 戦禍に光を求めて』予告編

 「(脚本を)読んだ瞬間、今までにない経験をした。脚本が響いてきたんだ。物語が聞こえるだけではなく、映像までが目に浮かんできたのさ」と脚本に一目ぼれしたことを明かすラッセルは、その気持ちを「1ページ目ラブストーリー」と名付ける。「仕事を選ぶときはいつもそう。深いつながりを感じることが大事なんだ。50作の脚本を読んでも何も感じないこともある。いつも『鳥肌が立つ』ような肌で感じる企画を探しているのさ」。


 初監督の経験を問われると、「役者たちが私に何か質問があるときはすぐに答えることができる。初めて長編映画に出演したのが25年前。それから一度も休まずにこの世界で働いてきた。自分自身が培ってきた豊富な知識と経験があるんだ。だから苦労も、大変な日も必ずあるけれど、それも映画の一部なんだよ」と達観した様子。そして、苦労したエピソードに、機関車の撮影シーンで、連日49.5度の暑さの中、200人のスタッフと200人のエキストラが死にそうな状況で働いていたことを挙げ、「そんな日はただ頑張るしかないんだ。一日の目標を立てたらそれを達成せずに投げ出すことはできない」とかなりストイックな一面をのぞかせる。


 また、イスタンブールをはじめとする壮大なロケーションを舞台に、甚大な戦死者を出したガリポリの戦いをオーストラリアとトルコ双方の視点から描いているのが本作の特徴であるが、「オーストラリアで育った年月の中で見聞きしたガリポリの戦いは全てオーストラリアの視点で描かれていた。一度として反対側からこの戦いを考えたことなど、私自身なかった」と自身の経験を踏まえ、「オーストラリア人が観たら、自分がよく知っていると思っていた出来事に全く違った一面があるのだと気づいてくれると思うよ。だからこの映画はオーストラリア視点からの歴史的出来事としてだけではなく、歴史の記録として大事なんだ」と本作の意義を紐解いていた。(編集部・石神恵美子)


映画『ディバイナー 戦禍に光を求めて』は有楽町スバル座ほか全国順次公開中