昨日は「マッドマックス 怒りのデスロード MX4D」と「レヴェナント」をハシゴしてトム・ハーディの日でキメようと思ってたら、予告で「スノーホワイト 氷の王国」かかったもんでシャーリーズ・セロンの日にもなってしまったのだった。トムはともかくシャーリーズの外見の落差が凄すぎる。


「マッドマックス MX4D」、クライマックスでは椅子の背にずっと後頭部をどつかれ続けていた気がしたわ。その後見た「レヴェナント」、熊にレオが襲われるシーンが激しすぎるので、これがMX4Dじゃなくてよかったと心底思ったわ。ってか、本作におけるレオの扱いはMX4D如きじゃ再現不能ね。


「レヴェナント」を見たらレオがオスカー受賞したの、当然だと思ったわ。映画の撮影とはいえ、スタントダブルがいるとはいえ、あんな目にあわされたんならオスカーぐらい貰わないと割に合わないと、見た俳優全員が思ったに違いないわ。アカデミー主演男優賞、もはや根比べとか我慢比べの域に達してる。


「レヴェナント」ではもうレオの演技がどうとかいう話じゃないもんね。あんな過酷な撮影を生きて最後までやり遂げたってだけで表彰ものだと思ったわ。この映画、話は「キル・ビル」と大差ないし、台詞は「キル・ビル」の百分の一ぐらいしかないけど、壮絶さは「キル・ビル」を遙かに凌ぐ。


トム・ハーディは「マッドマックス」でも「レヴェナント」でも同じ。タフでサバイバルに長けてて、生きのびるためなら何でもやる男。そして最後まで生きることをあきらめない。そして彼を縛る法はない。「インセプション」でも「ダークナイト」でもそうだったけどね。


大自然の過酷だけど美しい風景の描写に撮影監督がオスカーに輝いたのは納得できるんだけど、「レヴェナント」のどこがいいのかが分からない私。「バードマン」もそうだったけど、イニャリトゥ監督って何を訴えたいのか分からない。人の最後は神の御手に委ねるべき、運命は神の定めってこと?


だってさ、「レヴェナント」の話っておおむね「キル・ビル」じゃん。何が違うのかと言えば、怨敵の運命を神の御手に委ねたかそうじゃないかってことだけじゃん。しかもさ、表向きはそうだけど、次に何が起こるかは大体予測がついてたわけで。自分は手を下さず、体よく相手に面倒押しつけただけでは?


「レヴェナント」ではアメリカ先住民達のエピソードも平行して描かれているのだが、彼らも白人も美化されず如何にも人間臭く描かれているのでとてもリアルに見えるので、アカデミーにはそこが評価されたのかもしれないと思ったりして。ほら、「ダンス・オブ・ウルブス」の例もあるでしょ。


で、「レヴェナント」がどうだったかというと、一瞬たりとも目が離せない映画ではありました。でもレオを始めとして登場人物達があまりにむごくて痛い目にばかり合うので、見ている内にちょっぴり嫌気がさしてくるのよ。大自然の情景は美しいけれど、人間関係の果てには全然爽快感がないの。そんなとこ。