清水富美加「女優100点、女0点だって」(Lmaga.jp) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160514-00010000-lmaga-movi #Yahooニュース
あんど慶周の伝説的コミックを実写化した映画『HK/変態仮面』(2013年)。わずか12館(!)の小規模公開ながら、口コミから人気が広がり、最終的には動員数13万人、興行収入2億円というスマッシュヒットを記録。そんな怪作の続編となる、『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』がいよいよ公開される。主演は前作同様、今や超売れっ子俳優の鈴木亮平。監督はもちろん、福田雄一だ。そんな新作について、第一弾に続きヒロイン・姫野愛子を演じる、女優・清水富美加を直撃した。
映画「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」の清水富美加
──福田監督自身、「まさかの大ヒットで、まさかの第二弾」という映画『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』がまもなく公開されます。清水さんは前作に続き、ヒロイン・姫野愛子を演じたわけですが。
第一弾が終わったあとに、この映画の面白さとか何も分かってなかったという不完全燃焼感があったんです。あぁ、もう呼ばれないだろうなと思ってて。だから第二弾に呼んでいただけたとき、すごくうれしくて。この3年の間に、私の知らないところで、ヒロインをほかの女優さんにして撮ってるんじゃないかとか考えたりしてたんで(笑)。
──ちなみに、分かってなかったという福田組の面白さ、魅力とは何ですか?
笑いは欲しいんですけど、ウケを狙わないというか。面白いことを「面白いでしょ?」と見せるんじゃなくて、めちゃくちゃアホなことを真面目にやるんです。第一弾のとき、なかなかOKカットが出なくて、監督にそう言われて、「はい、わかりました」とは言ってたものの、実感として分かってなかったなぁと。
──じゃあ今回の現場では、その反省点をふまえて違った形で挑めたと?
挑めましたね。全然違うかもですね。お芝居自体どういうものかも、今より分かってなかった頃なんで。
──久々に会った主人公・色丞狂介役の鈴木亮平さんはじめ、ほかのキャストの方はどうでした?
鈴木亮平さんは相変わらずやさしくて。「ありがとう、また出てくれて」と言ってくださって、「いえ!もう、こちらこそです!」って。
──今回、柳楽優弥さんが初出演されてますね。福田監督のスゴいところが、今、柳楽優弥にアレをやらせるかという(笑)。
すごいですよね(笑)。だって、カンヌですよね? 以前ご一緒させていただいた朝ドラではイケメン役だったんですけど、今回はすごくイケテない大学生役で。役になりきりすぎて、現場で見つからなかったんですよ。スタッフさんが「柳楽さんが見つからねぇ!」って。エキストラさんのなかを探しても「いない!」って。あれはビックリしました(笑)。
──そんな第二弾『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』ですが、前作以上のパワーがみなぎっていて、相当面白かったです。
うん。面白いですよね。最初は「なにやってるねん」て感じなのに、観ていくうちに「えっ、どうなっちゃうの!?」って。いつのまにか、「がんばれ、変態仮面!」って、普通のヒーローものを観てる心境になっているという謎の現象(笑)。
──どんどん引き込まれているという。あと、パンティって今ドキ言わないじゃないですか。
言わないですね。パンツ、もしくは下着ですね。
──それが、最初は違和感があるものの、終盤にはパンティがなにか聖なるものに感じてしまうというスゴさ。
映画を観終わったとき、パンティって言ってしまう自分がいますよね(笑)。
──でも今回、清水さん演じる姫野愛子は、9割方困った顔してましたね。
してましたね。困った顔、怒った顔、そんなシリアスなのばっかりでしたね。笑ってないですよね、最初っから。
──輝くくらいの笑顔になったのが、御輿を担いでいるときで。
あぁ! そうだった、そこがあった!「パンティ、あげる!パンティ、あげる!」って。あ、そこもパンティだ(笑)。笑ったのは、あそこだけですね。しかも、妄想シーン。
──前回、なかなかOKカットが出なかったということですが、今回は監督から何か演出上のアドバイスなどありましたか?
今回は、あんまり何も言われなくて。前回は、自分がアホなことを、アホなこととしか捉えて無くて、アホなリアクションをしてたんです。「そうじゃなくて、もっと真面目にやってくれ。面白いことをしなくていいんだ」って言われたものの、それがどういうことかも分からなくて。今回は全然言われませんでしたね。
──福田組の一員になった瞬間ですね。
うぇ~(笑)。ほかの現場では全然、言われまくりなんで。
──今回は特に思ったんですが、このスタッフ、キャストの、スクリーンからはみ出してくるほどの有り余る熱量は何なんですか?
う~ん、謎の一致団結感はありますね(笑)。ハリウッドに来ちゃったのかなってくらい、ほかの現場とは違います。一歩間違えたら、ただのB級映画ですからね(笑)。それを格好良く見せられるというのは、監督さんはじめとするスタッフさんの気合いによるものだと思います。
──真面目に馬鹿をするという?
もはや馬鹿をするとも思ってないですね。真面目にやってますね。かっこいいですよね、なんか。真面目なことを真面目にやるのも難しいですけど、『変態仮面』を真面目にやるのって、相当難しいと思うんですよ。さらにそこを超えて、ホントにかっこいいものになってるので。なんですかね、この一致団結感(笑)。
──鈴木亮平さんが第一弾の撮影を前に作ってきた、あの肉体美が引っ張ってる部分もあるんですかね?
あると思いますし・・・ある意味では、誰もやらないことを一生懸命というか。そこんとこどうなんですか、鈴木さん(プロデューサー)。アンサーもってるんじゃないですか。なんでここのスタッフは、こんなにかっこいいんですか?
(鈴木プロデューサー)世界中でこんなことやってるのって、自分たちしかいないっていう。その確信はみなさん、持ってるような気がしますね。福田監督も、清水さんの方が愛子のことは分かっていると。だから2のときは、1のときと全然演出が違いますからね。ホントにおまかせで。清水さんがいないインタビューでも、今回は鈴木さんと清水さんが進化してたことが、非常に大きかったとおっしゃられてました。
やった! もう、一緒にいるときは、ひどいことしか言われないんですよ! この前、対談させてもらったときも、お互い軽くディスり合ってましたし。
──監督をディスった!?
そんなつもりなかったんですけど(笑)。なんか、お互いに好きじゃないよねって。「女優としては100点だけど、女としては0点だ」って言われましたから(笑)。
──でも、それだったら起用しないですよ。
そうなんですよ。だから、そういう話を聞くと、可愛らしい方だなって。やべー(笑)。
──監督がおっしゃる清水さんの進化してた部分って、自覚されてるんですか?
1で勉強させてもらったことを2でちゃんとやるというのと、3年の間に自分もいろんな現場に出て、大事なことが前よりは見えてきたのかなと。あと、本気で真面目にやろうと。そういう目標をもって挑めたのが大きいのかなぁ。
──その真面目な部分が一番現れたシーンは?
やっぱり、「パンティを返して!」って言うシーンですかね。それがクランクインだったんですよ。すごくドキドキしながら挑んだんですけど、日常では100%あり得ない会話じゃないですか。それを普通のことだと思い込んで、真面目に、真面目に。
──別れた彼氏に「合い鍵返して」っていうぐらい、シリアスなシーンでしたね。
それぐらいのテンションでした(笑)。
──今回、姫野愛子というキャラクターに関して、清水さんのなかで成長させていったところもあるんですか?
高校生から大学生になっていて、(狂介と)2人の仲もずっと続いてて。第一弾の純情な感じもなくなって、普通に大人になって。なんか、漫画の世界のキャラクター、というよりは、現実にいそうな子になったかもしれませんね。
──この3年間の、姫野愛子への思いがそうさせたんですか?
第一弾を撮り終わったとき、あぁ、もう呼ばれないだろうなと思いながらも、どっかに呼んで欲しい、呼んでもらえるように頑張ろうって考えてましたからね。福田監督が脚本の4夜連続ドラマ(2014年の『恋の合宿免許っ!』)のオーディションに受かったときも、「ここで結果残さないと、『変態仮面』に呼んでもらえない!」って言ったぐらいなんで。続編をやるんだったら、絶対やりたいと思ってました。
──清水さんにとって、『変態仮面』って何なんですか?
そうですね。『仮面ライダー』ばりに「私の帰る」ところになってますね。
──でも、第一弾の撮影が終わったとき、続編があると思ってたんですか?
第一弾の打ち上げの時点で、鈴木亮平さんや福田監督、プロデューサーらが「3部作やりたい」「やろう!」って盛り上がってて。でも自分は、何もできなかった申し訳なさで何も言えずに見てるだけだったんです...。
──「イエーイ!」って、その輪に入れなかったと。
「ですね!」みたいな感じでは言えなかった...。
──じゃあ、さらなる続編も分からないですね。
1、2に出演して、3で出ないとかあります!?
──そこは福田組ですから(笑)。
イヤッ! それで私呼んでもらえなかったら、本気で嫌いになっちゃうかも(笑)。でも、また呼んでもらえるように、これから3が決まるまでの間、頑張っていこうとは思います。次やる機会があれば、自分から提示するくらいいっぱいアイデアを出してやりたいんで。
──3のためには、今回のヒットも大事です。
そうですね。宣伝がんばりますよ!
──期待してます。それにしても、ポスターもかっこいいですよね。そこに入っているキャッチコピー「世界からパンティが消える。正義が消える。」を読ませないぐらい(笑)。
かっこよすぎて、パンティって気づきませんよね。これ、日本映画頑張ってるって感じしませんか?
──マーヴェルみたいです。
それぐらいの超大作感! いや、超大作なんですけどね。でも、このキャッチコピーは、これじゃなきゃいけないですね。「世界からパンティが消える」って、すごいなぁ。ふざけてない書き方ですよね。
──では、パート3ではどんな姫野愛子が見られるのか楽しみにしつつ。まずはこの『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』の大ヒットを願って。
はい。みなさん、泣きますよ(笑)。ホントに。ちょっと恥ずかしいとか、興味本位で劇場に入ったアナタ、泣きますよ~。
──エロいと思って観に来た男子高校生も。
どんな気持ちで劇場に入った人にも、「泣きますよ」と言いたいですね(笑)。