ジェイソン・ボーン復活、『ワイスピ』は10作まで作られる!? シリーズ映画情報〈アクション編〉(紀平照幸) - Y!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/kihirateruyuki/20160518-00057798/


〈アクション/サスペンス編〉

回を重ねるごとにスケールアップしていき、今やアクション映画シリーズの代表格になりつつある『ワイルド・スピード』。一方の主役であるポール・ウォーカーの事故死によって存続が危ぶまれたものの、第7作にあたる『SKY MISSION』の大成功により、継続が決まりました。シリーズ第8弾は2017年4月の公開を目指して現在撮影中。アイスランドやキューバなどにもロケして、ますますスケールを拡大しそうです。出演者もヴィン・ディーゼルらおなじみのメンバー(ドウェイン・ジョンソンもすっかりレギュラー化)に加え、前作に出演したジェイソン・ステイサム、カート・ラッセル、さらに今作には『マッドマックス/怒りのデス・ロード』で凄みのある演技を見せたシャーリーズ・セロンに、クリント・イーストウッドの息子スコットも合流。拡大路線は果てしなく進んでいます。監督は『ストレイト・アウタ・コンプトン』で注目されたF・ゲイリー・グレイが担当。なおこのシリーズ、ディーゼルの発言によるとまだまだ続くようで、『9』が2019年、『10』が2021年に作られる予定だそうです。映画会社の方も、出演料がつり上がる前にまとめて契約しておいた方が得策という判断だったのかもしれません。


そのディーゼルは、それに先がけてもうひとつの人気キャラクターの復活作『トリプルX:リターン・オブ・ザンダー・ケイジ』の撮影を終え、2017年1月20日に全米公開。これにはちょっと複雑な経緯があり、もともと『トリプルX』(02)の続編はディーゼル主演で2004年ごろに製作される予定でしたが、彼は『リディック』(04)出演のために降板。そのため主演をアイス・キューブに変えて作られた続編『トリプルX:ネクスト・レベル』(05)では「ザンダー・ケイジは殺された」というセリフだけで処理されていたのです。しかし実際の殺害シーンを見せなかったのが不幸中の幸い、「実は生きていた」という設定での帰還となったというわけ。サミュエル・L・ジャクソンがシリーズを通して出演、ドニー・イェン(当初はジェット・リーが演じる予定だった役!)、トニー・ジャーといったアジア人アクション・スターとの共演が楽しみです。


『ワイスピ』7・8に連続出演しているジェイソン・ステイサムも『メカニック』の続編『メカニック:リザレクション』が2016年8月26日全米公開。暗殺者アーサー・ビショップはオーストラリア、ブルガリア、ブラジルなど世界を股にかけて大活躍。バンコック・ロケが多用されている、と思ったらタイ資本で作られた映画でした。ジェシカ・アルバ、ミシェール・ヨー、トミー・リー・ジョーンズと共演者も豪華です。


近年のヒット作にも次々と続編が作られています。


まずはトム・クルーズがニュー・ヒーロー、ジャック・リーチャーに扮した『アウトロー』(12)の続編『Jack Reacher:Never Go Back』が撮影を終了し、2016年10月21日の全米公開を目指して準備中。監督には『ラストサムライ』でもトムと組んだエドワード・ズウィックがあたっています。なおトムは現在『ハムナプトラ』のリメイク『The Mummy』の撮影中(詳細はリメイク映画の記事で触れます)。さらに『ミッション:インポッシブル』の6作目や『トップガン2』の企画も上がっていて大忙しです。


英国発のスマッシュヒット『キングスマン』も続編『キングスマン:The Golden Circle』の撮影中(2017年6月16日公開予定)。すっかり一流エージェントに成長したタロン・エガートンが主演、共演者にはチャニング・テイタム、ハリー・ベリー、ジュリアン・ムーアと豪華な面々が並びます。


キアヌ・リーブスの新たなシリーズ・キャラになったのが、犬を愛する元殺し屋のジョン・ウィック。前作公開後すぐにスタートした続編『ジョン・ウィック:Chapter Two』は撮影を終了し、2017年2月10日全米公開。監督も続投し、ジョン・レグイザモ、イアン・マクシェーンは引き続き出演。新たにブリジット・モイナハンが共演します。


日本でもこの5月28日から公開される『エンド・オブ・キングダム』は13年の『エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編。前回のホワイトハウスの次にテロの標的となるのはロンドンの市街全域。各国の首脳が次々と殺害される中、最強のシークレットサービスであるバニング(ジェラルド・バトラー)はアメリカ大統領アッシャー(アーロン・エッカート)を守りきれるのか? バッキンガム宮殿、セントポール寺院、ロンドン・ブリッジなどの名所でテロ行為が発生するという驚きの展開で、前作からかなりスケールアップした危機また危機の連打が楽しめます。


デンゼル・ワシントン初のシリーズ・ヒーローとなった『イコライザー』も続編の製作が決まりました。現在製作中の『荒野の七人』リメイクが終わり次第撮影に入り、2017年9月29日の公開を目指します。人知れず許せぬ悪を始末することを誓った元特殊工作員ロバート・マッコールの戦いを描くもの。もし前作同様アントワン・フークアが監督すれば、彼にとっても初の続編映画になります。


「1年に1日だけ、殺人を含むすべての犯罪が合法になる」という法律が制定された近未来のアメリカを舞台にしたサスペンス『パージ』(13)は、その奇抜な設定が受けて同じ世界を舞台にした『パージ:アナーキー』(14)が作られました。今年の7月1日(独立記念日の直前!)に封切られる『パージ:Election Year』は、その名の通り大統領選挙の年に合わせたもの。『パージ:アナーキー』から2年後、生き残った主人公(フランク・グリロ)は大統領候補の女性上院議員のガードの仕事に就いていました。しかし“パージ法”廃止を訴える彼女は、今年のパージの日にその標的になり…、というサスペンス。


サスペンスでは『ダ・ヴィンチ・コード』のラングドン教授(トム・ハンクス)が活躍する歴史ミステリー第3弾『インフェルノ』が10月28日公開。本来ならラングドンもののシリーズ3作目は『ロスト・シンボル』なのですが、フリーメイソンが題材のために映画化は見送られた模様です。今回はダンテの「神曲」に隠された人類滅亡の陰謀に迫ります。ロン・ハワード監督で、フェリシティ・ジョーンズ共演。

2013年のスマッシュヒットの続編『グランド・イリュージョン/見破られたトリック』は2016年9月日本公開。汚れた金だけを強奪する正義のマジシャン集団フォー・ホースメン。前作ではFBIをも出し抜いた彼らでしたが、今回はそれに恨みを持つ者たちと若き天才エンジニアが彼らのトリックを見破るべく立ちはだかります。ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、マーク・ラファロ、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンといった前作からのメンバーに加え、ライバル役でダニエル・ラドクリフが登場。ジェイ・チョウも顔を見せます。この成績次第ですが、3作目の企画も進行中とか。


ここからは老舗のシリーズの現状を。まずは今年の10月7日に日本でも公開が決まった『ジェイソン・ボーン』。彼の物語は『ボーン・アイデンティティ』に始まる三部作でいったん完結したのですが、主人公を交代して描いた『ボーン・レガシー』が期待はずれだったためにマット・デーモン扮するボーンの再登板になった模様。原作者のロバート・ラドラムが死去していることもあり、展開はシリーズの途中から映画オリジナルのものになっています。監督はポール・グリーングラス。アリシア・ヴィキャンデル(ヴィキャンダー)、トミー・リー・ジョーンズ、ヴァンサン・カッセルと共演陣も豪華。


ファンタジーとどちらに分類するべきか迷ったのですが、シリーズ5作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン:Dead Men Tell No Tales』もようやく完成が見えてきました。2017年5月26日日本公開予定(それでもまだ1年ありますが…)。4作目の『生命の泉』とは直接の関係がないようで、今回ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)と敵対するのはハヴィエル・バルデム扮するキャプテン・サラザール。なんとオーランド・ブルームも出演するそうで、設定はやはり〇〇(あえて伏せ字に)ということになるのでしょうね…。かつてはローリング・ストーンズのキース・リチャーズがゲスト出演したことがありましたが、今回はポール・マッカートニーが出るらしいです。


さて、シリーズと言えば、前作『スペクター』が気になる終わり方をした『007』シリーズ。クレジットの最後に「JAMES BOND WILL RETURN」の文字があったとはいえ、その後まったく音沙汰なし。これは製作会社のMGM/UAと配給会社ソニーとの契約が切れたのも遠因で、再契約か、それとも新会社と契約するのかによってシリーズの今後が大きく左右されるからです。ダニエル・クレイグがもう1本だけボンドを演じるという見方が有力ですが、予断を許さないところ。まあ、どんな状況になってもイオン・プロ(ブロッコリー・ファミリー)がシリーズを続行するのは間違いないと思われますけどね…。


ドラマやコメディの続編、リメイク映画などはまた次回に…。