失敗が意外に多いのに…作られ続けるゲームの映画化(クランクイン!) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160730-00044580-crankinn-movi #Yahooニュース

 

ゲームの映画化は、思うより難しい。それはもはや常識になっているにも関わらず、ハリウッドでは、まだまだゲームにもとづく映画の企画が立てられている。それはなぜだろうか。

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 10月に日本公開となる『アングリー・バード』は、全世界で30億ダウンロードされたアプリのゲームを長編アニメ映画にしたもの。6月には、やはりゲームにもとづく『ウォークラフト』が世界公開された。また、最近は、今年オスカー主演女優賞を受賞したばかりのアリシア・ヴィキャンデル主演で『トゥームレイダー』がリメイクされることが発表されている。アプリゲーム「ポケモンGO」の爆発的ヒットで最注目された『ポケモン』も、中国資本のレジェンダリー・エンタテインメントが映画化権を獲得し、ハリウッド実写版の製作が決まった。

 『アングリー・バード』は全世界で3億4400万ドルを売り上げ、興行的にはヒットしている。だが、批評家受けはかんばしくなく、映画批評サイト「ロッテン・トマト」によると、好意的な批評家はたった44%だった。『ウォークラフト』は、中国で大ヒットしたおかげで、世界興収は4億3300万ドルとなったが、アメリカではたったの4700万ドルで惨敗。「ロッテン・トマト」での評価は29%だ。

 過去をさかのぼってみると、『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』は、2億ドルも製作予算をかけたのに、北米興収は9000万ドルしか上げていない。『ストリート・ファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』に至っては、北米興収800万ドル。誰の記憶にも残っていないほどだ。『ヒットマン』『マックス・ペイン』も、鳴かず飛ばず。アンジェリーナ・ジョリーの『トゥーム・レイダー』も、1作目はヒットだったが、2作目は9500万ドルの予算に対し、北米興収は6500万ドルだった。そのどれも、批評家受けは良くない。

 もちろん、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演『バイオハザード』は、すでに5作が公開され、6作目の公開も控えているが、そういった成功例は、ごく稀である。ちなみに最終章となる6作目では、ローラが女戦士コバルト役でハリウッドデビューを果たしている。

 それでもゲームの映画化作品が作られ続ける理由のひとつは、知名度があること。もうひとつには、それによってゲームの利用者が増えたり、関連商品が売れたりすることが期待できるからだ。『アングリー・バード』も、配給はソニーだが、製作費はゲーム会社が100%出資している。映画の影響でどれほどダウンロードが増えたのかはわからないが、人気のピークを過ぎていたゲームにまた注目してもらうきっかけになったのは、間違いない。2作目の企画は、もう話し合われているのだろうか。