大人向けアニメ映画ベスト10『AKIRA』ほか日本から3作ランクイン!(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160818-00000012-flix-movi #Yahooニュース
アメリカの大手映画情報サイト The Hollywood Reporter が発表した大人向けアニメ映画のベストテンに、大友克洋監督の『AKIRA』が4位、高畑勲監督の『火垂るの墓』が7位、今敏監督の『パプリカ』が8位と日本作品が3作ランクインした。
【写真】原作は筒井康隆!映画『パプリカ』
同サイトは『AKIRA』を「単調とか長たらしいと評価されることもあるが、大友監督が暴力的な未来を描いたこの傑作は、サイバーパンクとしてその時代を席巻し、アニメのスタンダードを確立した」と評価。「『ブレードランナー』と比較される点は至る所にあって正しいが、アニメファンにとっては若き日のリドリー・スコットの名作も、近未来のTOKYOを描いた作品のプレリュード(前奏曲)でしかない」と続けた。
『火垂るの墓』については「主人公は子どもだが、間違いなく子ども向けではない映画。ほかのスタジオジブリ作品の最も怖いシーンさえも空想のシーンと感じさせてしまう一方で、ジブリの持つ芸術的力がいかんなく発揮されている」とコメント。『パプリカ』に関しては「観客に自身の夢の見方に向き合うことを要求し、複雑な要素を多く絡めたミステリーは多くの場合は破綻してしまうことがある」と作品の複雑性を解説しながらも『火垂るの墓』に続く8位に『パプリカ』をランクインさせている。
R指定アニメ映画『ソーセージ・パーティー(原題) / Sausage Party』の公開にあわせて映画批評家ジョン・デフォーが選出したこのランキング。『明日の世界』で今年のアカデミー賞短編作品賞を受賞した、独特の世界観が評価され続けているドン・ハーツフェルト監督による完全手描きのアニメーションで、「命の意味」を問いかけてくる映画『なんて素敵な日』が1位に輝いている。(編集部・海江田宗)
The Hollywood Reporter が発表した大人向けアニメ映画ベスト10は以下の通り
10.『ファンタスティック・プラネット』
9.『ペルセポリス』
8.『パプリカ』
7.『火垂るの墓』
6.『タワー(原題) / Tower』
5.『スキャナー・ダークリー』
4.『AKIRA』
3.『ベルヴィル・ランデブー』
2.『ウェイキング・ライフ』
1.『なんて素敵な日』
「AKIRA」は今見ても十分おもしろいです。
ストーリーというより、金田と鉄男の愛憎入り交じった関係が深く描かれているのがスゴイんですよね。
友達同士であっても互いに優劣を感じ、それを元に行動してしまうのが人間で、「劣」の側がその優劣が逆転したと思った時どう変わるかというのが実に緻密に描かれているんですわ。もちろん「劣」の方が鉄男なんだけど、彼が自分が金田より勝ったと信じているのに、観客が客観的に見てもそうなのに、金田の方は全然そんなこと思ってないのね。金田にとっては鉄男はいつまでも自分の舎弟で、生意気言ったら殴るけれども、それでも自分にとって鉄男は常に守ってやるべき存在ということが揺るがないんです。その金田の兄貴分としての気概と、彼に対する鉄男の劣等感が「AKIRA」を支える軸なんですよ。
で、私、最近「AKIRA」見て思ったわけです。IS等のテロって、結局そのココロはパワーを手にした鉄男と同じなんじゃないかって。欧米にずっとかなわないと思って黙って耐えていたけれど、テロという圧倒的なパワーを手に入れたために野放図になってる彼らは、暴走する鉄男の姿に重なります。金田にあたる欧米にずっとむかついていたけど黙って従っているしかなかった時代があっただけに、より反発している部分があるんじゃないかって。でも、それで金田に勝ったとして、次にどうするべきか鉄男は全然考えてなかったりするんだよね。ただその時の衝動に任せてパワーをふるっているだけだからさ。
というわけで「AKIRA」を鑑賞するとまるで現代の縮図を見ているような気になるのでございます。
鉄男は結局自分のパワーを制御しきれず自滅の道をひたはしったわけだけど、ISもいずれそうなってくれればいいですね。誰かISに「さんをつけろよ、デコ助野郎!!」的なこといってくれないかな……。
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ちなみに作品としての完成度はコミックの方がずっと高いです。
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