スカパー!映画部×ムービープラス 映画 『マイ・フェア・レディ[4Kデジタル・リマスター版]』4K特別試写会(日本語字幕版)を鑑賞して参りました。
スカパー!映画部の企画でお招き頂いたんですが、ほんと、毎回素晴らしい映画を鑑賞することができて感謝の念にたえませんわ。
「マイ・フェア・レディ」というとオードリー・ヘップバーン主演のミュージカルで不朽の名作としてつとに名高いわけですが、実は私、これまでに1~2回しか見たことがなかったんですよね。最初から最後まできっちり見たのはひょっとしたら1回だけかもしれない。なにしろ往年の名作すぎて、昔よく見ていた洋画劇場とかでも滅多にかからない作品だったので。子どもの頃には話でしか聞いたことがありませんでしたよ。
この有名な帽子とドレスのデザインも目にしたことはあってもそれが「マイ・フェア・レディ」のものだとは25を過ぎるまで知らなかったぐらいです。
しかし一度、「マイ・フェア・レディ」の中でオードリーがこのドレスを身に纏ったシーンを見たら、もう忘れることはできなくなりましたね。このドレスがこんなに美しく引き立つのも、オードリーがあってこそ!
これはアスコット競馬場のシーンなので、そこにいる方々は皆様超お洒落なんですよ。特に若い女性は白と黒を基調とした様々な美しいドレスに身を包んでいて、それを見るだけでも目の保養になるほど芸術的なのですが、オードリーがこのドレスを纏い、大きな帽子を粋に傾けて登場した途端、あっという間に背景に過ぎなくなってしまうんですよね。他の女性もドレスも、すべてオードリーの引き立て役! 彼女の美しさの前には誰しも膝を折って屈するしかないのでしょう。
このドレスの白と黒の美しい対比、4Kデジタルリマスターならではの見応えあるシーンに仕上がっているのです。
私がかつてテレビで見た時は「マイ・フェア・レディ」といえどフィルムの劣化にはかなわず、結構色がセピアっぽくなってたんじゃないかと思うんです。オードリーのドレスの色は写真とかでも見て知っていましたから白と黒ということは分かっていましたが、他の紳士淑女の衣装は……まあ本来は白と黒なんだなあぐらいにしか見てなかったんですよね。
ところが今回の4Kリマスターをスクリーンで見た時わかったのが、どの衣装も息をのむほど美しいということなんです。輝くような白と漆黒のコントラストが素晴らしいんですよ。どれもオードリーの衣装にひけをとらないだけの出来映えなんです。
4Kで見てスゴイと思ったのは、それこそ衣装のレースの細部までがはっきり見てとれることですね。あの有名な「踊り明かそう」が初めて歌われるシーンでオードリーが着ているネグリジェのリボンが眩しい黄色で、それが袖口ではレースに通されているのまではっきり見てとれた時には感激しちゃいましたよ。こういうの、女性にはたまらない喜びなんです。
またスクリーンで見ると、オードリー演じるイライザが住むことになるヒギンズ教授の屋敷の壁紙や絨毯、調度品や飾り物までくっきり見えるんですよ。これが部屋によってそれぞれ違っていて、見ているだけでも楽しいんですね。教授の使っている蓄音機にエジソンの会社の名前が書かれてるのが読めたりもします。教授がそれを使ってイライザに発音の練習させるのを見ていると、この方法が現代の歌や語学練習の基礎になっているんだな、と思ったりして。それにしても教授、お金持ち。最新式のを何台も持っているんだから。
そういえば「マイ・フェア・レディ」はミュージカル映画なので、舞台と同じく序曲から始まるんですよ。その序曲が流れている時のスクリーンにはたくさんの花が背景となって切り替わっていくんですが、この花の色が生き生きと見えるんですね。フィルムだとセピア一色になりそうなものですが、さすが4Kだわと感心。イライザは花売り娘なので、その導入として使われているんでしょうが、ちゃんと売り物になる花に見えるのがありがたいところ。可憐な花を売る可憐な花売り娘の口から出てくる言葉が可憐どころか喧嘩腰なところが、今でいうギャップ萌えで観客の心を鷲づかみにするのですから。
冒頭のシーンでイライザの口から出てくる言葉って、ロンドンの下町なまりで何言ってるのかわからないぐらいなんですが、オードリーはこの喋り方を身につけるためにそれはそれは努力と苦労を重ねたそうです。劇中ではイライザが美しい話し方を身につけるために艱難辛苦に耐えているのですが、それはオードリーにとっては自分で経験したことの再現に近いものだったかも……。
劇中ではイライザの着ているものや髪型がどんどん洗練されていって、美しさに磨きがかかっていく様子が堪能できます。これ、スカパー! に加入の皆様ならムービープラスでご覧になることができるんです♪ しかもオードリーの声といえばこの方! の池田昌子さんの吹き替えで。なんと貴重な地上波吹替版はTV初放送!
10月には字幕版も放送さますのでお楽しみに!