宮崎駿もリスペクト!『BFG』児童文学作家ロアルド・ダール の世界(dmenu映画) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160917-00010000-dmenueiga-movi #Yahooニュース

 

9月17日より公開の『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』は、児童養護施設で暮らす少女ソフィーと、夜ごと子どもたちに夢を届ける優しい巨人BFGが“奇妙な友情”を築く実写ファンタジー。『チャーリーとチョコレート工場』で知られるイギリスの児童文学作家、ロアルド・ダールの『オ・ヤサシ巨人BFG』を、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督とディズニーが映画化した話題作です。ダールの作風は、シュールな笑いをまじえるなど大人も楽しめる味わいが特徴的。これまで映画化された作品を中心に、その世界観を覗いてみましょう!

『マチルダはちいさな大天才』(映画『マチルダ』)

マチルダは、4歳で文学作品を読みこなす天才的頭脳をもった少女。しかし両親には邪魔者扱いされ、日々知恵を絞りささやかな報復を続けていました。そんな中、超能力をも手にしてしまったマチルダ。唯一の理解者で担任のミス・ハニーが、叔母であり横暴な校長から虐待を受けていたと知り、マチルダは念力を使って校長を学校から追放させます。

虐待という重いテーマが根底にありながら、子どもから大人へのウィットに富んだ仕返しが痛快で、読後感は明るく爽やか。映画では『ミセス・ダウト』の人気子役マーラ・ウィルソンが、愛らしい容姿で知的なマチルダを演じました。

 

『おばけ桃の冒険』(映画『ジャイアント・ピーチ』)

両親を亡くし、2人の意地悪なおばさんと暮らす少年ジェームズ。ある日謎の老人から不思議な水晶玉をもらい、誤って枯れた桃の木にこぼしてしまいます。すると1つの桃が巨大に成長し、ジェームズは中に引き込まれます。転がる桃に乗って、愉快な虫たちと新たな世界へ旅立ちます。

予想のつかない展開が楽しく、子どもも大人もページをめくる度にワクワクしそうな作品です。映画版は総勢130人のチームが2年かけて製作した、ストップモーション・アニメと、ハイテクなCGを融合させた映像美が魅力です。

その後もブラックユーモアに満ちた短編小説や児童文学を発表。ファンや作家から特に高い評価を受けているのが短編集『あなたに似た人』です。ライターを連続で着火できるか賭けた男たちの緊張感と意外なラストが不気味な『南から来た男』など、皮肉や毒気の効いた小品の数々が楽しめます。映画に児童文学に短編小説に、これまで知らなかったダールの魅力を見つけられるかもしれません。

第二次世界大戦中は戦闘機パイロットとして従軍していたダール。パイロット時代の経験を著わした短編でデビューしました。ちなみに、宮崎駿はダールのファンで、オマージュとして『紅の豚』や『風立ちぬ』の中でダールのエピソードを挿入しています。短編『彼らは年をとらない』の、大空に無数の飛行機の列を見る幻想的なシーンが、宮崎アニメにも活かされています。

宮崎駿に影響を与えた飛行機小説や“毒短編”も

 

一家を守る父さんギツネは、生活のために意地悪な3人の農夫から家畜を盗み出していました。農夫たちは鉄砲で父さんギツネを撃ち、キツネの住む洞穴をショベルカーで荒します。命がけの奮闘の末、父さんギツネが見事に機転をきかせ、食糧を得て森の動物たちと分け合います。動物と人間の共存について考えさせられますが、父さんギツネの鮮やかな活躍には思わず「バンザイ!」と叫びたくなります。

パペット・アニメで送る映画はレトロな雰囲気ながら、動物たちのユーモラスな動きをなめらかに表現しています。Mr.Foxの声はスマートでダンディなイメージのジョージ・クルーニーが担当。

『父さんギツネバンザイ』(映画『ファンタスティック Mr. Fox』)