「22年目の告白-私が殺人犯です-」、これ、予告を見た時の印象があまりよくなかったので、見るつもりなかったんですよね。

でも身内が大絶賛していたもので、そこまで言うなら……と見に行ったところ、予告の印象とは全く違って実におもしろい作品だったんです。これ、もう、大傑作だよね。

 

 

まあ。ほら、ここで藤原竜也が「22年前の殺人事件の犯人は私です」とか言っててもさ、22年前ったらアンタ8才ぐらいだったんとちゃう? とツッコミたくなるばかりじゃないですか。顔、つるつるしすぎだって。

 

しかし実際に映画を見てみると、それで問題なかったことがわかるんですよ。藤原竜也、やっぱり演技上手いわ。ケレン味きかせるところも、自然体のところも、ほんと自由自在に演じ分けて。改めてファンになってしまいました。

 

そして伊藤英明。この方「陰陽師」の頃から実は演技派だと感心していたのですが、お顔が濃いめなせいか濃くてクサい演技を要求される場が多いようで、しばらく映画でちゃんと見ていなかったのですが、「22年目の告白-私が殺人犯です-」ではごくごく地道に徹してリアルな人物像を描き出していました。

 

特筆すべきが中村トオルで、自分の報道番組をもってるジャーナリストの役なんですが、登場シーンから喋り方からまるで往年の筑紫哲也さんの姿を見ているようで、随分研究して役作りしたんだなあと感じ入ってしまいましたよ。彼がテレビ出演している時のスーツ姿がまたステキでね。ネクタイとポケットチーフがまあお洒落で板についてて、高級スーツに着られてるような印象の藤原竜也と好対照でした。この映画、衣装も上手いな、と思いましたよ。

 

「22年目の告白-私が殺人犯です-」は韓国映画のリメイクだそうですが、日本に合わせて上手にアレンジしてあって、素晴らしい仕上がりになってました。脚本も演出も上手。

 

「帝一の國」を見た時も思ったんですが、こういうおもしろい邦画が普通に日本で上映されるようになったんだなあと思うと感慨深いものがありました。