「セトウツミ」は私のお慕いするスコットランド在住のブロガー、ホリーさんが去年めっちゃおしていたので、ずっと気にはなっていた映画だった。
ただ当時は、写真を見ても予告を見ても若い男の子二人がだら~っとしているだけのようで、ちょっとピンと来なかったのである。
当時は日本の若手俳優の演技力というものを過小評価していたというのも、見に行かなかった理由のひとつではある。
だけどこの前「帝一の國」を見て、その認識をすっかり改めたのね、私。
日本の映画界、いつの間にやら美貌と演技力を兼ね備えた若手がどっさり育っていたんですね!
特に主役の帝一を演じた管田将暉くんの演技には私衝撃を受けましたよ。もうね、鈴木亮平さんとか佐藤健くんにひけをとらない自然ななりきり演技じゃないですか。彼の演技が「帝一の國」の独特な世界観を支えているのですから、すごいじゃないですか! 調べたら彼もライダー出身ということで、ああ、鍛えられたんだなあ……と大変納得。
さて、その管田将暉主演してるのが「セトウツミ」であったので、それなら絶対見なくちゃと先日WOWOWで放映されたのを録画して見たんですよね。
そしたらめっちゃおもしろかったわけです。
うん、ホリーさんのお目は確かだ。
こうね、見てる分にはたいしたこと、起こらないわけですよ、男子高校生二人が放課後なんとなく一緒にいて、なんとなく喋ってる、それだけなの。それだけなのに、二人の喋り方が絶妙におかしいんです。大阪弁のイントネーションが抜群に音楽的でいいんだな♪
見た目は何もおこらなくても、この二人はちゃんと疾風怒濤の青春生活を送ってるんですよ。それを二人の言葉のはしばしからリアルに感じ取れるのがすごいんです。特に管田将暉が演じる瀬戸君、家庭に問題いっぱい抱えてて、それなりに真剣に悩んでる。
そしてその心の内をあの音楽的なイントネーションで内海君に吐き出すんですね、特に相手に何も期待せず。そこで聞いて貰えればそれでいい、みたいな感じで。それを聞いた内海君の反応次第で、あっちへ転がったり、こっちへすべったりする、そこに醸し出されるケミストリーがほんと、いいのですわ。
「友情」とかそういう濃いもんじゃなくて、あくまで「ケミストリー」。お互い、たまたま居合わせただけだけど、一緒にいると心地良いからいつもここにいる、みたいな。
そういう不思議な空気感を楽しむのが「セトウツミ」という映画でした。
ん、人間ってさ、深刻な問題抱えてても、日常そのまま生きてくしかないときって、あるもんね。そういう時に誰か気の合う人がいつも側に居てくれると、楽だよね。
熱血しない生き方の見本がここにあります。
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