「東京喰種 トーキョーグール」、マンガの評判をきいていたので、映画化されたら見ようかなと前から思ってはいたのでした(このまどろっこしい書き方にさりげない期待の低さが表れているのね)。
劇場公開に合わせて電子コミックスの1~2巻無料購読があったので予習のために読んだところ、ああなるほど、これはおもしろいわ、と納得。ちょいとデビルマン風味で文学的味付けもあって、可愛い女の子も立派なバストも出てくるし、受ける要素がたくさんあるんだな、と。こういうアンダーグラウンドな世界観、私も好きです。ただまあ、2巻まででは語られていない部分が多いのか、ちょいとツッコミ所がありすぎてそれ以上課金してまでは読もうとは思わなかったのですよ。
その2巻までと無料というのが丁度いい具合だったんですよね♪おかけで映画を見て内容や単語が理解できないということはなく、それでいて先の展開にドキドキすることもできるという丁度いい楽しみ方ができました。
コミックス読んでから行くと、よくもまあこんなにも似た人を配役したな、と舌を巻いてしまいます。ヒデ君だけはハンサム度が増してたけど、雰囲気としてはピッタリなので、要するに俳優さん達が演技力でなりきっている部分も大きいのですよね。主役の窪田正孝くん、暗くて優柔不断なムードがよく出てました。
それよりもソックリとおもったのがニシキ役の白石隼也君ね。そこに居るだけで人でなしな雰囲気が漂って来るのが上手いなあと感心。しかもハンサム♪ 「彼岸島デラックス」に主演してたと知ってびっくり。あの映画では鈴木亮平さん以外何も覚えていなかったんだよなあ。
特筆すべきが大泉洋の 真戸役で、顔を見れば確かに洋さんなのにたたずまいがまるで違う。白い長髪に見え隠れする顔は陰鬱で病的な真戸そのもので、喋り方さえ普段とは別人。大泉洋のあの明るくひょうきんな雰囲気って、髪型によるイメージも強いんだなあとしみじみ思ったことでした。いかにもマンガ的なキャラクターをそのイメージを壊さないまま現実にいそうな人間に持ってくるのって、すっごい高度な演技だと思うのですよね。たとえばキャプテン・アメリカとかね。そのレベルの演技者が日本の若手にもたくさんいることが分かったのがこの映画を見た収穫の一つでしたね。
物語はというと……これはまあ、コミック原作なんでこういう展開にしかならんのでしょうが、多少の無理はあるにしろ破綻はしてないかな? この前テレビで見た「秘密」が破綻しまくりだったのに比べるとずっと良いできでした。
暗いイメージの美形がお好きな方なら、見に行く価値はありますよ♪ あ、でもコミックスの2巻ぐらいは読んでからの方がいいでしょう。