一度ならず二度までも、オーランドの映画を見るための上海ツアーの申し込みがかなわなかった私……。
手元には番号を打ち込むための楽天のクレジットカードが空しく残る。
何故? 何故なの? どうしていつも、ここから先に進めないの?
二度あることは三度あるで、今度も旅のライバルに一歩先んじられたかと思ったのだが、前ページに戻っても空席が埋まってしまった様子はない。
私はこういう時、それは”神のお告げ”だと思うことにしている。
きっと今、まだ申し込んではいけない、神様だけがご存じの理由が何かきっとあるのだ。
そこで旅行の申し込みに何か手落ちや手違いはないかと、もう一度ゆっくり見直してみることにした。
二泊三日ではなく、三泊四日。
→これはOK。納得の上。
昼羽田出発、夕方前に上海着、帰りは上海朝出発の昼羽田着。
朝食二回つきで、44800円。木曜出発、日曜帰着。
→これもOK。木曜出発は少々イタいが、いたしかたない。
出発日、上海に到着してからと次の日、さらにその次の日が映画を見に行くため有効に使える。最終日は帰るだけ。
→全然OK.そもそも映画見に上海行くんだし、観光の必要なし。
帰り、自分達で早朝に空港に行かねばならないため、オプションで空港までの送迎車を頼むことにした。一人4000円だから二人で8000円……。
→ちょっと待~った!
そう、前回ソウルにオーランドの映画(「ホビット2」)を見に行った時も早朝便だったから車を頼んだので、そのノリで今回も頼もうと思ったけれど、今回の行き先は中国だ。前回は韓国で言葉が喋れなかったから送迎をつけたけれど、今回は自家通訳を持参、じゃなかった同行するんじゃん。中国語平気なんだから、タクシーだって余裕で乗れるンじゃん。仮にホテルから空港までが100元とかだったとしても、二人で精々2千円ぐらいにしかならないはずじゃん(計算は極めて大雑把です)。だったら8千円で送迎つける意味、まるでないじゃん!
これだ。これが”神のお告げ”だ。
ゆっくりと考えを進めれば、慌てた自分が必要ないオプションまでつけていたことに思い至る。
私は「送迎 アリ」の箇所につけていたチェックを外し、改めて「ナシ」につけなおした。この時は問題なくPCも動いてくれた。
なんか、”神のお告げ”に従ったおかげで、8000円得した気分♪ 実際は損失を被らなかっただけで、また、ホテルから空港へのタクシー代は別に払わなければいけないから丸々というわけではないのだが、それでもその場8000円払わずにすんだというのは大変嬉しい♪
笑いにゆるんだ顔を引き締め、さらにもう一度念を入れて旅程をチェックし、問題ないと判断したところで、満を持して購入申し込みボタンをぽち!
――例によって、反応ナシ!
あ、これ、もう私のせいじゃない。
”神のお告げ”には従ったんだし、自分でやれるべきことは全部やった。
だからここで私にできることはもうない。
悪いのはPCかネットか、ともかく私以外の何かよ。
お手上げになった私はそれまで使っていたPCと楽天のクレジットカードをほうり出し、別のパソコンと違うカードで同じツアーを申し込んだ。今度は何の問題もなく、普通に購入できた。
一体何だったのよ、もう!
――数時間後、見知らぬ相手から電話がかかってきた。
それは旅のライバルではなく(当たり前だ)、おどおどした喋り方をする楽天クレジットの男性で、何時間か前にHISでツアーを申し込んだのは私本人かと尋ね、私が間違いないと答えたのを聞くとさらにおどおどしながら、セキュリティー上のトラブル(か何か)で私のカードがひっかかり一時的に使えなくなっていたがもう大丈夫ですと伝えてきた。今はもう問題なくカード使えますからと恩着せがましく言って逃げるように会話は終了したのだが、一応「ありがとうございました」と言って電話を切ったあとで、ムカついたことは間違いない。
だってさ、私が楽天のカードをわざわざ財布から取り出して番号を打ち込んだのは、諸費用合わせて10万円近くになる旅行代の一部でも楽天のポイントで還元したかったからだよ? 10万といえば大金だから、少なくとも1%がポイント還元される楽天カードに入ってて良かった~と思っていたのに、肝心な時にはそのカードが使えないって、一体なんなのよ?! 今使えるったって、もう一度ツアーキャンセルして申し込むなんてできるわけないんだし、お詫びの言葉なんざ貰ったって一文にもならんわ! その分のポイント返せ~~~!
というのが正直な気持ちであった。
なんだろう、いつも300円とかの少額でクレジットカード使ってる人間がいきない10万近くする買い物に走ったらカード会社に警報でも行くようになってるのかしら? それ、安心というより、失礼なセキュリティーだわ、ぷんぷん!
ま、何はともあれ、上海オーランド映画鑑賞旅行は決まった。
10月5日からなので、その時点で1ヶ月以内ということで、すでにキャンセル料が発生しているという慌ただしさである。
もう、行くしかない。
とはいえ、旅行の詳細、つまりどこの航空会社で何時の便で何時に上海に着いてどこのホテルに泊まるかが分かるのはまだ分からない。このツアーでそれが分かるのは出発の一週間ほど前である。
何か調べたくても何もできない、手持ちぶさたな日々がやってきたのであった……。