私がルカさんのブログにはまってしまったのはアメトピに掲載されたこちらの記事のせい。
あまりにも常識外れな発言をする上司と、その上司の横にいながらあたかもその人がいないかの如くにテキパキと話を進める部下、さらにその部下であるルカさんに心酔しているらしき同僚の方々の会話を読んで、一体どうやったらこんな不可思議会社ワールドが成立するのかとことん不思議になって前後の記事まで読み始めたのがキッカケ。
1ヶ月程度遡っただけでは上記に至った現状が理解できなかったため、とりあえず一番最初の記事にとんでは見たけれど、まだその辺りの記事には詳しいことは載っていなかったため、2年ぐらい前からアタリをつけるために月末の記事だけ幾つか読んで該当しなかったら次の月……というのを繰り返し、新戦力と期待されるK課長が赴任してきた頃から改めて日を追って読み出したら、まあ面白いのなんの! そんじょそこらの小説よりずっとおもしろくって、2年半分ぐらいを一気に読んでしまった。一気に……といってもたぶん一週間程かかっている。何故ならルカさんは一日一記事を自らに課しているため、二年半分だと1000記事になんなんとする分量だから。しかも一記事が結構長い。長いのに毎回必ずしっかりオチがついているので、途中で飽きてやめようとは露思わなかったというのがまたスゴイのである。
私アメトピに掲載されたブログ、結構見に行くんですが、続けて読もうと思うのはほとんどないです。例外はカマタミワさんと、みどさんと、ホリーさんぐらいで、これ、元々プロのイラストレーターやマンガ家さんだったり、ブログ書籍化の先鞭をつけたりといった方々ばかり。だからルカさんのブログも早く書籍化されるべきではないかと思いましたね。たぶん、その方がもっと早く読み進められるから……。
さて、ルカさんのブログ、「黒猫のワルツ」を2年半分まとめ読みし、何が面白いのかとつらつら考えるに、ルカさん御本人が日々理不尽と戦っている姿が颯爽としてカッコイイからなんですよね。
ルカさんが対峙する理不尽にはいろいろあって、一が上司を始めとする職場内のあれこれ、二が御母堂を始めとするご家族のあれこれ、三にお住まいや行きつけのコンビニの事情によるあれこれ、四は猫など動物に関するあれこれといったところでしょうか。まあ、毎日毎日、よくぞこれだけの理不尽がルカさんの周りに降って湧いてくるモンだと、驚嘆を通り越して不思議にさえ思えます。この方、何か罪を犯して魔界から放逐された魔族か、人間界で修行を積んでる神族か、はたまた古代の血を伝える犬神一族の末裔なんじゃないか……と平井和正ファンの私は真剣に思いましたね。だってそれだけの理不尽攻撃にさらされながら、ルカさん、一歩も退かずに返す刀で相手をぶった切って(比喩)平気で立ってますからね。ほんと、犬神明の女性版だわ。
それで気がついたんですよ。
ルカさんのブログのおもしろさは、小説や映画のそれと同じなんだって。
理不尽な目にあっている主人公が我慢に我慢を重ねた挙げ句、ついに堪忍袋の緒が切れて無法な相手を成敗するというパターン。
まあ、日本の昔の時代劇とかね、よくありますよね。香港映画なんか、今でもそういうくら~いヤツ、アンディ・ラウ主演にして作ったりしてる。ハリウッド映画だって、我慢のさせ方は違うけれど、基本同じパターンで人気シリーズができたりします。今やってる「マイティ・ソー バトルロイヤル」の主人公、雷神のソーだって、自分の星でバカやって地球に追放されてパワーを失ってさんざん苦労してるんですよ。自分の名前を冠したシリーズではしっかり貴種流離やってるんです。でも、ほら、肉体派ヒーローだから最後は大暴れして敵に打ち勝ち、観客をスカッとさせてくれるわけ。
大事ですよ、このパターン。
それでさらに気がついたのは、アメトピに掲載されるブログ記事というのは、大体どれも理不尽に遭遇してるんだってこと。
赤子であったり、幼児であったり、反抗期の子どもだったり、妻だったり夫だったり、自分や結婚相手の親族だったり、介護の相手であったり、職場の人間だったり、婚活だったり、ペットなどの動物だったり、いずれにしてもこちら側の意思が思うように通じない対象だと、それが理不尽扱いになるんですね。
子どもと動物の場合は可愛さの度合いが高ければもうそれだけで何でも許されちゃうので仕方ないですが、多少なりとも意志疎通のできる相手に対しては一矢報いるのが肝心……っていうか、実際それが「おもしろさ」です。例えばホリーさんのブログならば、ダッダ氏の理不尽な行動にたいして彼女が言い放つ鋭いツッコミがその矢にあたります。ブログにおけるオチですね。かつて4コママンガに必須といわれたオチは、ブログにおいても破壊力を発揮するものです。
ただまあ、ブログの場合はいちいち細かくそこを追求しないというか、理不尽な相手に振り回されっぱなしになってる書き手をただ眺めるのが面白いとい鑑賞方法もあるわけです。案外アメトピにピックアップされる記事の基準ってそこにあるんじゃじゃないかと……。
理不尽に巻き込まれた人というのは、やはり通常とは違った生活をおくらざるを得ませんから、それはそれで目新しくはあるんですね。ただそれだけだと、同じような記事が二~三回続いたら飽きてしまう。多いんですよ、オチらしいオチのない記事。いや、書いてる御本人はオチをつけてるつもりなんでしょうが、なんら機能していないっていうね。或いはその理不尽を受け入れることを人生訓みたいに語ったり……。いや、いいんですけど。そうやって立ち向かうことをあきらめて、理不尽を理不尽とも思わなくなるのも御本人が生きていく上では重要なのかもしれません。ただ、そんなメリハリのないブログ記事はつまらないんです、私には。
そんな、理不尽と同居しているだけの笑えもしなければ同感もできない生ぬる~いアメトピ記事に飽きが来ていた時期に、ルカさんのブログ記事は鮮烈でした。まさに衝撃。文章も上手いし、絵も上手い。まさに三面六臂の大活躍。あ、そうか、ルカさんあれだ、阿修羅王。現在人間に転生輪廻中だったのか。
ルカさんは、己の行動で理不尽を正すんです。
振り回されるのではなく、あきらめるのでもなく、立ち向かう。
理不尽と戦ってねじ伏せるなど、滅多な人にできることじゃありません。
それは自己犠牲を自己犠牲とさえ思わぬ、一種の無私無欲さがあって初めてできること。
ルカさんは文字通り、血を流すことを恐れぬ人なのです。
彼女の活躍、快刀乱麻ぶりには胸がすきます。拍手喝采を浴びせたい。
そう、まさに舞台やスクリーンに見るヒーローそのものの姿がそこにある……彼らが主に活躍した時代は昭和だったかもしれないけれど、問答無用にかっこよく見えた時代でもあるのだから。
ほら、ハリウッド、何してるんだよ、ここに新しい映画シリーズのヒロイン、いるよ。
アメブロなんかじゃ勿体ない。
早く世界にはばたいて下さい、ルカさん!
ところで私、ルカさんの職場のような、ごく少数の仕事ができる人だけが働いて、後の人々は遊んでるっていう仕事場、知ってます。
ここ(Buy More)もひどいよ、相当。
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参考。
夫が理不尽。
ホリー絵日記inスコットランド
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日本人嫁、英国に住んだらツッコまざるをえなかった
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反応が理不尽。
半径3メートルのカオス
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ひとりぐらしも極まれり
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ついで。
マイティ・ソー [レンタル落ち]
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オマケ。
狼の紋章 ウルフガイ・シリーズ (NON NOVEL)
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趣味。これが阿修羅王。
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