叔父貴のオーラがムンムン! 世界最強の不屈のオヤジ、リーアム・ニーソン(dmenu映画) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180220-00010000-dmenueiga-movi @YahooNewsTopics
ユダヤ人を救うドイツ人実業家オスカー・シンドラーを演じてアカデミー賞にノミネートされたリーアム・ニーソン。『シンドラーのリスト』(1993年)をはじめとする重厚な人間ドラマで演技派俳優として知られていますが、50代後半になるとアクション映画にも立て続けに出演し、一躍アクション俳優の仲間入りを果たすという、レアな経歴の持ち主でもあります。
60代になってもファイトシーンを自ら演じ、敵をバッタバッタとなぎ倒すニーソンは“叔父貴”と呼ばずにはいられないほど頼もしくて魅力的。その圧倒的な強さはもちろんのこと、何よりシビれるのが、どんな逆境にも負けない“不屈っぷり”なのです。
ニーソン叔父貴がアクション俳優としてブレイクするきっかけとなったのが、ピエール・モレル監督作『96時間』(2008年)です。彼が演じたのは、人身売買組織に最愛の娘・キムを誘拐され、決死の救出に向かう父親・ブライアン。実は元CIA工作員のブライアンが、常人にはないスキルと知識を総動員して、犯罪組織にたった1人で闘いを挑む姿は絶品です。
本作の見どころは何と言っても、ニーソンの無敵っぷりです。年齢を感じさせないパワフルさで、ナイフや銃で襲ってくる屈強な男たちをねじ伏せ、1人ずつ着実に倒していくタフネス。誘拐された娘のSOS電話から拉致現場を推理する分析力。そしてついにたどり着いた敵のアジトでは、わき腹に被弾しながらも、手で強引に傷口をふさぎながら、敵を圧倒する強い精神力! 娘への愛を原動力に、犯罪組織に決してひるむことなく、立ち向かっていく姿は、クセになること請け合いです!
続編も公開されるほど大ヒットを記録した本作。ブライアンへの復讐に燃えた男と対決する『96時間 リベンジ』(2012年)、陰謀により警察から追われることになったブライアンの奔走を追った『96時間 レクイエム』(2015年)と続く本シリーズは、“リーアム・ニーソン=最強”というイメージ植え付ける作品となりました。
なんとニーソン叔父貴が闘志を燃やすのは人間だけに留まりません。飛行機事故に巻き込まれ、マイナス20度のアラスカの凍てつく大地をサバイブする『THE GREY 凍える太陽』(2012年)では、何とか生き延びようと、生存者を励まし、的確な指示で引っ張っていくという、自然相手にも不屈の精神を発揮します。
しかし無情にも1人、また1人と奪われていく仲間の命……。打ちひしがれた彼のもとに、さらに狼が襲い掛かります。万事休すかと思いきや、ニーソン叔父貴は、亡き父が愛した詩を思い浮かべながら、ナイフとビンを武器に構えるファイティング・ポーズをとり、狼たちを迎えうちます。どんな状況でも決して生きることを諦めないホレぼれするカッコ良さ。本作で描かれる大自然、そして狼との対決は、彼の格闘フィルモグラフィーの中でも屈指の名勝負と言えるでしょう。
そして極めつけは、攻撃を仕掛けてきた異星人と壮絶な戦いを繰り広げるアクション大作『バトルシップ』(2012年)。ニーソン扮するアメリカ海軍大将のシェーン提督は、詳しい状況が分からない中でも、全く動じず、冷静かつ適格な指示を振りまきます。人間だけに留まらず、敵対する者から一歩も引かない姿勢は、まさに“不屈の男”と呼ぶにふさわしいでしょう。
そんなニーソン叔父貴が、『ザ・シークレットマン』(2月24日公開)で戦いを挑んだのは“権力”です。1974年にリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」を、リドリー・スコット製作で映画化した本作。ニーソンは最高権力者を相手に、不正を内部告発する「ディープ・スロート」ことFBI副長官マーク・フェルトをクールに演じました。
民主党本部への侵入事件を発端とする一連の事件。大統領による不正が明らかになるにつれ、フェルトの前に、政府が立ちはだかっていきます。政府による妨害工作に加え、48時間での捜査打ち切りというタイムリミット、そして自らの命の危機という状況を前にしても、決して捜査を投げ出さないフェルト。
事件から30年目に明かされた真実をたどる興味深さもさることながら、190cmの高身長にビシっとスーツを着込み、正義を貫くフェルトを体現した、ニーソン叔父貴の渋い演技は必見! 意思を感じさせる強い眼差しからは、一筋縄ではいかない不退転の男のオーラがムンムンに出ているんです。
実力派俳優としての卓越した演技力を武器に、サスペンス、アクション、人間ドラマ、スペクタクル巨編と、ジャンルを問わず最高のパフォーマンスで魅せるリーアム・ニーソン。頼れるリーダー的懐の深さと、不屈の闘志、そして温かい人柄を感じさせる優しい眼差しが最大の魅力です。昨年のトロント国際映画祭に出席した際には、アクション映画からの引退を宣言していた彼ですが、不屈の精神で今後もジャンルにこだわらない活躍を期待します!