本展覧会のメインビジュアルともいえるこの絵ですが、王子様はともかく、馬の上にはやたらでっかく字が並んでると思いません?
実はこのお馬さん、バランスちょっとヘンなんですって。
馬の胴体部分がヤケにふくらんでいるそうなんですよ。
で、解説にはね、絵を飾った場所が上の方なので見る者に迫力を与えるようにだろうとかなんとか(うろ覚え)、もっともらしい事が書いてあったんです。
いや~、違うね。
と私は思いましたね。
これ、樽でしょ。
坊ちゃん樽に乗せて下絵書いたんでしょ。
んで後からその樽の部分そのまま生かして馬の首と脚つけたよね。
と。
何かの映画で画家(たぶん、ベラスケス)が実際にそうやって下絵描いてるの、見たような気がするのです。
それとは別に、「ロード・オブ・ザ・リング」のメイキングで、ホビットのメリー役のドミニク・モナハンが実際に樽みたいな形の上下動する装置に乗って乗馬のシーン撮影してるの見てますしね。映画ではメリーはもちろん樽ではなくてポニー(小馬)に乗ってるように見えるのですよ。映画では合成になるけれど、絵画では目的に沿って描き直したり足したりすればいいだけなので、意外と伝統的な手法だったのかもしれません、樽。
だってさ、考えてもご覧なさいよ、聞き分けの良い子なら多少我慢してポーズとってることもできるでしょうが、馬があの格好のままじっとしてられるわけ、ないじゃん。
樽じゃなくて木馬とか彫像だったとしてもさ、馬のあのポーズで直立させた上に、王子様長時間のっけとくって、危なくない? 絶対しないと思うのよね。
というわけで、私はあの絵の馬の胴体は実は樽であった説をとりたい! 大体あの馬、首も短すぎない? 王子様にかぶらないよう、めっちゃ気を使ってベラスケスさん、描いております。
それでもそこにいるのが威勢の良い駿馬に見えるんだから、ベラスケスってやっぱりすごいのでございますよ。
さあ、馬の胴体が果たして樽かどうか、東京でその目で確認できるチャンスはあと一日!
時間と機会のある方は是非国立西洋美術館までお運び下さい♪