「生きるよろこび」、感じてますか?
私は感じてますよ!
去年の今頃、病気で苦しんでたことや、さらにその前に骨折して入院していた時のことを思えば、今生きてることは本当にありがたいと、心からそう思います。
これは自分の経験ですが、病気で徐々に身体全体が弱っていくのと怪我で身体の一部を動かせなくなるのでは、怪我の方が気持ち的にはマシでした。私の場合は腰椎の骨折で1ヶ月近く頭を15度以上上に持ち上げることさえできないという寝たきりの状態で、当然排泄もオムツで処理は人任せという有様でしたが、それでもね、できる限りのことは自分でしようという気持ちは強く湧いてきたものです。スマホや本を取りやすく、利用しやすい位置に置くとか、その程度のことですけどね。それでもできることがあるのなら、それは自分でやるんだと心に決めてましたね。
だから、なんとなくですが、ほんのちょっぴり分かる気がするんですよ。
口と足を使ってでも絵を描こうとする方々のお気持ちがね。
ここでご紹介したのは口と足で描く芸術家協会のホームページより、
【画家のアトリエ】牧野 文幸「生きるよろこび」
http://www.mfpa.co.jp/interview/makino/vol1-1.html
牧野さんは
>高校2年生の夏、水泳の練習中にプールの底に頭を打ち、頚椎を損傷。首から下の感覚麻痺、運動能力の喪失、当初は自立呼吸すら難しいかもしれないと告げられました。
>一瞬にして、首から下全身マヒの障がいを負ってしまった牧野さんですが、その辛い思いをすぐに真正面から受け入れ、リハビリに取り組む姿勢を見せます。
リハビリね、よく「つらい」と表現されますけれど、それをこなすことで自分の身体が少しでも良くなるのなら、よ~しやってやろうじゃないか! と思うものでもあるんです。まあ、私のやったリハビリなんてたいしたことじゃないからそんなことが言えるのかもしれないですが、でもね、人間の精神って案外強くって、事故で身体に使えない部分ができたとしてもそれを嘆いているより残された使える部分をよりよく生かそうと思うものなんです。だって、嘆いたり悔やんだりしたところで何が変わるわけじゃないですからね。
ただやはり、ず~っと一本調子に頑張りを続けられるわけではなく、そこには目標を置くことが必用なんです。だから困るのは一つの目標を達成してしまったあと、その先に何もない時なんですね。
牧野さんが油絵に出会ったのはそんな時だったそうです。
>高校に復学し、卒業という目標を達成した後、何かやらねばと思うものの、その何かが見つからずにいたとき、理学療法士の先生から「油絵をはじめてみないか、その気があるなら先生を紹介する」と声をかけられたことが、牧野さんにとって将来、口で描く画家として歩むキッカケになりました。
>ねっとりとした絵の具をザラザラのキャンバスに描くため、力のない口でくわえた筆では思うように絵の具がキャンバスに付かず、最初は一筆塗るだけでもたいへん苦労をしていました。しかし、筆をぐっと押したときにキャンバスから跳ね返ってくる感触とかにおおいに興味を持ち、夢中で絵の制作に没頭しました。
>長い時間をかけて初めての絵を描き終えた時、牧野さんはキャンバスの上に新たな喜びと生きがいを見出し、これこそが牧野さんが従来考えていた「描くことによる社会への参加」の具体的な形だと思いました。「描くこと」は、彼にとって「死んでいないだけ」の日々を「生きている」と実感できるものへと一気に引き上げ、「生きること」の意味と価値を与えてくれるものとなったのです。
こうして遂にはこんなに躍動感あふれる馬の絵まで描くことができるようになった牧野さん。
ついにはコラボ商品の販売という新たなステージに立つことに!
>そしてこのコラボレーションによる商品化のチャレンジが牧野さんが従来、目指していた「描くことによる社会への参加」をしているという実感を、改めてはっきりと確認することができた出来事となりました。
牧野さんの死というショッキングな終わり方ではありますが、このインタビュー記事は是非とも多くの方に読んで頂きたいと思います。なんていうかね、人間って、強いんだよって、一人でも多くの人に知って貰いたくてね。
身体の機能の一部を失った人に対して、一般的に人は同情したり哀れみを向けたりするものですけれど、案外本人は残された機能をフル活用して生きるよろこびを感じてるのかもしれない……。
こんな勇壮な馬の絵を描いた牧野さんの歩みを、是非ご一読ください!
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