4月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3397
ナイス数:13
ダイエットがやめられない―日本人のカラダを追跡するの感想
何故いつも「痩せねば」と自分が思うのか、その理由が知りたかった。現代の日本人女性が望むのは洋服が着映えする身体らしい。その願望は60年代後半のミニスカートブームに始まり、その手足の細さ故ツイギー(小枝)と呼ばれたモデルの来日も影響か、等と書かれた章を読んだ直後に見た映画「マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」に全盛期の頃のツイギーの姿があり、ミニスカはいた彼女が一世を風靡した理由が大変よく分かったのであった。あの可愛さ、できるなら自分のものにしたいと女性なら思う。顔が無理なら、身体だけでも、と。
読了日:04月02日 著者:片野 ゆか
謀略空港 (創元推理文庫)の感想
エジプト革命についての記述があって、ドラマ「ナイト・マネジャー」を思い出した。実際、内容も少しばかり似ている。しかしどこまでも暗い英国スパイの「ナイト~」原作に比べると、本作はいかにもアメリカ~ン。ハリウッド映画そのままの構成なので、人物ではなく役割を読み解けば誰が悪いヤツだか推測がついてしまう。映画やドラマを見過ぎて「意外な展開」の、その「意外さ」に慣れてしまっていると、意外な展開なのに驚けなくて残念な気分になる。でもクライマックスは痛快。ドラマなら次のシーズンにも期待がふくらむところ。
読了日:04月06日 著者:シェイン・クーン
この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)の感想
タイトルに喚起された程の面白さではなかった。つまり邦題が上手という事。決定するまで四苦八苦あったらしいが、むべなるかな。著者が英国人で、その文化をローマに遡るヨーロッパの文化史&科学史が元になっているので、日本人の感覚とは違うところが凄くあるのだ。それは「地震」の有無。そりゃ地震がなければ昔々のコンクリートや石材の建築そのまま残るだろうが、日本はそうじゃない。そもそも世界が破滅する原因の一つには地震が大いにあるだろうが! みたいなところで興味が離れていくのが読書の現実。面白くないわけではないので、残念。
読了日:04月09日 著者:ルイス ダートネル
処刑の文化史の感想
微妙に雑な感じの本。本の中に修正されるべきミスが幾つも残っている。記述は文献から拾ってきただけでそれぞれについて深く研究したわけではなさそうなので、すべて鵜呑みにはしない方がいいかも。特にアメリカ先住民の頭の皮剥については、「首切りの歴史」の方が正確そうだ。 しかし洋画等で見る死刑に関する疑問が幾つも氷解したのはありがたい。カバーイラストの絞首縄が何故ぐるぐる巻きなのか、とか。あれはアメリカ結びといってコイルの部分で首の骨を折って瞬間的に殺すために開発されたのだとか。薬殺で3本のシリンジが順に空く理由も。
読了日:04月17日 著者:ジョナサン・A・ムーア
ジョン・カーペンター 恐怖の裏側 (HIHO ViSUAL BOOK)の感想
「ハロウィン」の続編公開中の今こそ読み時。撮影現場のスチール集なのだが、撮影者のキムの腕が素晴らしい!どの俳優もその魅力を十二分に発揮しているショットばかりで、とにかく美しいのだ。ブギーマンなんてマスク姿なのに、目の部分の穴の角度一つで恐ろしくも不気味にも撮っている。この写真集を見て改めて思うのは、ジョン・カーペンター監督が撮影するフィルムの、どのシーンをとっても構図と照明が完璧であるという事。被写体ではなく映像そのものが美の極致なのだ。そこに独特の音楽と最高の演出が加わって、彼の作品は唯一無二の物となる
読了日:04月18日 著者:ジョン・カーペンター,トニー・ティンポーン
(序文)
砂漠の空から冷凍チキン (集英社文庫)の感想
展開だけを拾うとよくある戦争アクションみたいな話なのだが、合間合間に挟まれる会話が……ダルい。作者の伝えたい事はその部分にあるのだが、面白く分かりやすくを狙った挙げ句、凝りすぎて外した感じ。状況的には緊迫してるのに、頻繁にそういう会話や独白や過去が挿入されるので、途中で飽きて本を置いてしまう。で、次に手に取った時には何が緊迫してたのか忘れている。書かれている内容自体は大変深くて、現実の、ほぼ現在の戦争とはどういうものかの解説である。映画「バイス」もそうだが、コメディ仕立てにしないとやりきれないのは確かだ。
読了日:04月20日 著者:デレク・B・ミラー,加藤 洋子
切り裂き魔ゴーレムの感想
冒頭の絞首刑、「処刑の文化史」を読んだばかりだったので、記述に大変納得。この時期ロンドンでは公開処刑が行われなくなって、血に飢えた住民の欲望を公に満たすに虚構に頼らざるを得なくなっていたそうな。そのせいで殺人が増えたり、その実録記事が飛ぶように売れたりしたのかも。本書では舞台の上から観客を通じて人間の残虐性への嗜好をあぶり出す。構成が見事だが少々難解。これ、映画が面白かったので原作を読んだのだが、脚本大変だっただろうなあとしみじみ。映画は本よりも分かりやすく、感情移入しやすく、サスペンスで盛り上がります。
読了日:04月21日 著者:ピーター アクロイド
オリジン 上 (角川文庫)の感想
軽快で愛想のよい声で、上品なイギリス訛りがあるとされるウィンストンの声、誰が声優だったらぴったりだろうかと考え始めたら本筋に身が入らなくなった。映画ではラングドンはトム・ハンクスだから、彼が感心するような声の持ち主といえばやはりマイケル・ケインか。本書の中では「声優はーーヒュー・グラントか?」と書かれているので、もうちょっと若くていいのならショーン・ビーンが適任かもしれない。「上品な」というのならコリン・ファースかもしれないが、気取り過ぎが鼻につく可能性大。ここはやはりポール・ベタニー? あ、シラスだわ
読了日:04月27日 著者:ダン・ブラウン
オリジン 中 (角川文庫)の感想
”ウィンストン”という名の由来がチャーチルだと分かったので、同役でオスカーとったゲイリー・オールドマンが急浮上。でも彼の声って常に激高の可能性を秘めている感じだからなあ……等と思っている内にアントニ・ガウディの作品が次々に登場しだし、物語に俄然集中できるようになった。どうやら上巻を読みつつ退屈さを覚えていたのは、自分が現代美術にほとんど関心がもてないせいらしい。グッゲンハイム美術館には一度行ってみたいとは思ったが。ちなみに「ママン」は六本木で鑑賞済みだが、彼女の作品もそんなに好きないわけではないので……。
読了日:04月28日 著者:ダン・ブラウン
オリジン 下 (角川文庫)の感想
ガウディに続いてウィリアム・ブレイクも引用されてますますワクワクする物語に……と期待が高まったが、役者が出揃った所で何となく展開が読めてしまった。しかし本書の面白さはもはや意外性ではなく、人類の起源をどこに求めるべきかの先進性にあるのだろう。ちなみにその後「どこへいくのか」についての本書の考え方には私は懐疑的である。さんざんSF読んできたからね。良くも悪くもダン・ブラウンの特徴である楽天的な見解は本書でも健在だと思った。登場人物、ほとんど「いい人」だし。「悪人」がいないというの、ある意味すごい物語かも。
読了日:04月28日 著者:ダン・ブラウン
まっぷる ウィーン プラハ・ブダペスト (まっぷるマガジン)の感想
プラハに行きたいのだが、一人旅は可能かどうかを調べたくて読む。不可能ではないが、やっぱり二人以上で行く方が絶対よいという結論に達した。ブダペストも行ってみたい都市だが、そうなると何故かウィーンとセットになってしまう。ウィーンは一度行っているのでもういいのだが……。 ところでチェコってユーロじゃないんですね。そんなことも知らずに一人旅に行こうなんて無謀すぎるわ、自分、と思ったことでした。とにかく、もっとよく他の本もチェックして調べなくては。
読了日:04月30日 著者:
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