8月の読書メーター
読んだ本の数:23
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ナイス数:94
分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫)の感想
本書を最初に読み始めたのはずっと前だった。その時感じたのは、「ここに書かれている未来社会にはちょっとムリがあるんじゃないのか」だったのが、数年後の現在読むとすぐにも実現して不思議じゃないというか、社会はまさしくこういう方向に向かっているという諦念に変わっていた。人と人とのリアルなコミュニケーションは失われ、端末=スマホを通じてのみつながる世界はすぐそこまで来ている。肉親の存在が子どもの正常な発達を阻害するみたいな思想もいずれ一般化するだろう。大変正確な未来予測がここには書かれているのだ。嬉しくない未来だが
読了日:08月01日 著者:京極 夏彦
分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(下) (講談社文庫)の感想
後半、面白さが加速する。冒頭細々と書かれていたことが皆生きてくるので嬉しくなってしまう。ここで描かれている少女達が魅力的なのは全員とっても潔いから。それぞれに悩み、苦しみは抱えているが、一度決めたらそれを貫き、突っ走る。「友情」という言葉さえも死語になったような世界で、ほんの一瞬運命を共にしただけの相手を「友人」だと思ったのだからそのために身を投げ出すことさえ厭わない。ネットを介してしかつながらないような世界でも、人の感情を揺さぶるのは身を挺した誰かの真っ直ぐな行動と、そして心意気なのである。面白かった♪
読了日:08月02日 著者:京極 夏彦
大統領失踪 上巻の感想
米大統領のモノローグが、とにかくつまらん。それは私が米国人でも男でも大統領でもないせいかとも思ったが、他のキャラが語る章もやはりつまらないので文章が悪いのだろう。原著か訳か、とにかく言葉のテンポが悪い! 映像にすれば面白いシーンだと思っても、小説はまず文章が悪ければ読むに耐えない。 この大統領=主人公、様々な事態に対して感情を揺さぶられ、いわゆる人間らしい行動をとりたくなったりするのだが、「今はその時ではない」といちいち思い直すので何か腹が立つのである。優しい人ぶってみせても、結局仕事優先の人でなしやん。
読了日:08月03日 著者:ビル クリントン,ジェイムズ パタースン