8月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:6705
ナイス数:94
任務の終わり 上の感想
図書館に予約入れたら一年近く待つことに。しかも最初は上巻のみ。下巻が揃うのを待って読み始めたら一昼夜で読了。もう、さすがキング、さすが白石朗訳、「大統領失踪」はこの本の爪の垢でもなめたらいい。本に全てを持っていかれるドライブ感こそ読書の醍醐味♪ こういう幸せを味わわせてくれる本こそ読者は待ち望んでいるのだ。 ところで一年ぼんやり待ってる間に前の話を半分ぐらい忘れていたのだが、そこはキング、読んでる内にちゃんと思い出せるように書いてくれておりました。いやしかしこの主人公、70才近くても本当に格好いいわ♪
読了日:08月05日 著者:スティーヴン キング
任務の終わり 下の感想
読み終わるのが惜しい、この至福の時が終わるのが残念でしようがない……そんな本。キングは一時期イヤ~な終わり方させる(主要登場人物が軒並み不幸になる)のが文学的と思い込んでいたようなフシもあるのだが、このシリーズではそんな心配もなく、ちょっと初期の作品の味わいに戻った感じ。「中折れ帽」が「フェドーラ帽」に変わったり、時代と共に訳語も変化しているが、「真逆」なんてのが出てこないあたりにほっとする。 ところで上巻に出てくる「ビッグアイズ」の絵、同名の映画があるので興味のある方はご覧になってはいかが?
読了日:08月06日 著者:スティーヴン キング
大統領失踪 下巻の感想
文章が悪いのは訳じゃなくて原文のせい。子どもの作文みたいに思えるのは表現が貧しすぎるから。比喩を使え、比喩を。それをさておき、下巻の後半ぐらいから「スター・トレック」のカークが活躍するエピソードっぽくなって、多少面白くなった。とはいえスタトレそのままではさすがに古臭いのか、その後に現代的な味付けもしてあったがそれも映画とかドラマっぽい味付けで、しかもあんまり効果的じゃない。ミステリとしても凡庸。アメリカ万歳的な話なのもスタトレっぽいが、残念ながらそこまで面白くない。映像化したら演出次第で何とか見られるかも
読了日:08月07日 著者:ビル クリントン,ジェイムズ パタースン
ファッション主義 (ちくまぶっくす)の感想
1986年に上梓された本。内容はさらに20年程遡るが、現代に通じるものも多々ある。違うのは、80年代はまだ日本が豊かだったということ。70年代の高度経済成長に比べると「低成長」ではあるが、まだまだ前向きに成長している最中だったのだ。当時の東京の変化の様子がヴィヴィッドに描かれていておもしろい。私はようやく東京の有名な駅の周囲の通りが分かるようになった所なので、「ああ、あの辺がそうなのか」と今更納得。著者は映画の衣裳にも詳しく本書にもちらほらスターの名前が出てくる。その他、時代はツィギーからマドンナまで。
読了日:08月08日 著者:川本 恵子
セレブの現代史 (文春新書)の感想
2006年の本だがすでに古い感じ。「セレブ」はかつての「スター」と違い特に才能がなくても顔やイメージさえよければなれるもの。重要なのは「セレブに見えること」なのだ。スマホでの自取りが流行るのもむべなるかな。自分の顔がそこかしこに露出しまくるのって、まさにセレブっぽいもの。さて、本書には「ディベロッパー」出身で自身をセレブ化としてトランプの名が載っている。著者はまさかその流れで彼が米大統領にまでなるとは思っていなかっただろうが、セレブ分化が政治をダメにするとは書いてあった。まさにその通りだと思う。
読了日:08月09日 著者:海野 弘