8月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:6705
ナイス数:94
ミッドナイト・ライン(上) (講談社文庫)の感想
「大男」が売りのジャック・リーチャー。彼の存在を知った悪党達が注意喚起の連絡を仲間に入れるのだが、その時の表現が「森から出てきた○○」だのアメコミのキャラに例えるだのしてて細かくおもしろい。さらにそれを知った人間がリーチャーを一目見るなり「あ、○○」と即座に納得していくのが笑える。 毎度の事だがリーチャーがヒッチハイクで出会う人々の描写が生き生きしていてそれも楽しい。本書の内容はかなり深刻で悲惨なものだから、こういう些細な楽しみが散りばめられているのが本当に助かる。今回のリーチャー自身は岩の塊みたいだけど
読了日:08月10日 著者:リー・チャイルド
ミッドナイト・ライン(下) (講談社文庫)の感想
本書では米国の麻薬汚染が扱われているが、それがこれまで知っていたものとはちょっと違うのだ。例えばドラマ「ドクター・ハウス」や映画「ベン・イズ・バック」に出てくるような、オキシコドンやオキシコンチン、フェンタニル。それらは世に出た時は医薬品で、安心して使えるとうたわれていたのだそうだ。それが今では社会問題となっている。そうなった背景に何があったのかを、作者は鋭く分析してついている。戦争で負傷した人々の激しい苦しみと併せて。エンターテインメントしてだけではなく、社会問題をも同時にとらえたすぐれた作品だと思う。
読了日:08月11日 著者:リー・チャイルド
日本猟奇・残酷事件簿 (扶桑社文庫)の感想
「日本」という国家が出来てから警察沙汰になった事件の記録。当時の文献を調べての謎解きというわけではないので、明治時代の事件の扱いには少々物足りなさも感じる。「猟奇」と称されるバラバラ殺人、ストーカー殺人、子ども殺し、性器切断等は今も変わらず起こっているが、当時が今と全く違うのは、逮捕された男が婦女暴行についてどれだけ白状しても、被害者側からの訴えがほとんどないので罪にならないという事だ。また女性が失踪しても世間体を慮ってすぐに警察に届けいケースが多い事にも驚く。かつて女性は実に簡単に犯され殺されていたのだ
読了日:08月12日 著者:合田 一道,犯罪史研究会
猫を想うだけで、なぜ、こんなに幸せになれるのだろうの感想
読書習慣のない人にプレゼントするのにぴったりな本。各ページ活字は数えるほどしかないし、内容は読書好きならかつてどこかで見たことがあるようなものばかり。装丁はキレイで肩の凝らない文章に可愛らしい猫の写真がてんこもり。 それだけの本である。
読了日:08月13日 著者: