8月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:6705
ナイス数:94
警察の誕生 (集英社新書)の感想
「警察」は元々支配者すなわち政府にとっての秩序ある状態の維持のため、公安が第一の目的でつくられたものだった。「犯罪捜査」なんてものが生まれたのはごく最近といっても過言ではない。かつて中国共産党は内務大臣の地位を得ることによって内務省を押さえ警察権力を握り、ついには一党独裁を確立したそうである。 つまり、現在香港のデモに対して警察が、香港のみならず中国本土からも動員され、過酷なまでの弾圧を加えているのは、当然の流れなのだ。 警察には公安よりも治安優先を望みたいが、日本もこの先どうなることやら……。
読了日:08月14日 著者:菊池 良生
絵本 星新一ショートショートの感想
読み慣れた星新一のショートショートも絵本になるとまた趣が違うものだ。挿絵ではなく、絵がメインになることで違ったおもしろさも生まれてくる。逆に絵ではオチが先に分かってしまうものもある。 とはいえ、星新一の作品は古びないなあと改めて感動。
読了日:08月15日 著者:星 新一
図説 ウィーン世紀末散歩の感想
先頃クリムト展とウィーンモダン展を見たのだが、その総まとめ的な一冊。今回展示されていた絵画や工芸品などの写真もあるので思い出すのにも丁度いい。ところで今回の展覧会で不思議に思っていたのが、私の見た限りではどこにも「アールヌーヴォーの影響」に関して書かれていなかったこと。時代的に絶対フランスでミュシャが流行させたその影響受けてないわけないのに、何故? それはどうやら今回の展示における作為らしく、本書にはしっかりアールヌーヴォーの影響があったことが書かれていた。それが一番知りたかったことなので、大変満足である
読了日:08月16日 著者:南川 三治郎
ハプスブルクをつくった男 (講談社現代新書)の感想
ウィーンといえばハプスブルク家のお膝元! というわけで読んでみたのだが、この手の本をどれだけ読んでも自分の頭にも心にもしみいってこないということが改めてハッキリした。どれだけ読んでも神聖ローマ帝国が何なのかピンと来ないままなので、今度はもっと歴史をさかのぼった所を読んでみよう。それにしても諸侯、王族、同じ名前が多すぎ! ルドルフばかりで誰が誰やら……これは思うに、私が人を見分けるために必要な「顔」が欠けているせいではないだろうか。「歴史マンガ」は登場人物が顔を得たいう点で、大変優れた教材になると理解した。
読了日:08月17日 著者:菊池 良生
お寺にいこうの感想
日本のお寺に入るための敷居を限りなく低くしてくれる本。もはや参拝も修行も必要なく、カフェ、レストラン、ライブ、カルチャー教室と同じレベルで「寺」を楽しめばよいというのがコンセプト。まあお寺としても、誰かに来て貰わないことには商売(?)がなりたたないから、それはそれでよいのだろう。 そういえば関東に長く住んでいても東京をきっちり観光したことがないから、本書に出ているお寺めぐりから始めてみようかな。そんな気にさせられたのだから、本書はしっかり役目を果たしているのである。
読了日:08月18日 著者:宮澤やすみ