8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2004
ナイス数:29
マールカラー文庫2 世界装飾図 (マールカラー文庫 (2))の感想
現代に使われている装飾は古代から連綿と続いてきたものであることが分かる。丁度今日「ロンドン・ナショナルギャラリー展」と「内藤コレクション展Ⅱ中世からルネサンスの写本」を見てきたので見覚えのある装飾がたくさん出てきて嬉しい。古い絵は実は額縁も凝っていて、本書で紹介された装飾が使われている。美術館で絵を展示する時には額縁の装飾もあわせて紹介して欲しいと思った。結構流行などもありそうだし、使われている材質なども知りたい。それにしても前ページカラーで膨大な数が紹介されているので、まるで覚えきれないのであった。
読了日:08月05日 著者:A. ラシネ
世界の服飾文様図鑑の感想
入門書というか、世界中の服についてる文様の意味が知りたいな、と思い始めた人(私)にはぴったりの本だった。モチーフの分け方が大変分かりやすい。文様そのものだけでなく、それがあしらわれた服、あつらえた人への思いも込められているのが嬉しい。巻末の地図から特有の文様を探せるのも有り難い。東欧のブラウスなど、労働着なのにとても細かく美しい刺繍が施されているのを見ては「お洒落なんだな」と思っていたが、荷物を背負う際の摩擦による破れ防止の実用目的もあったそうな。糸での細かい縫い取りによる布の補強が刺繍の始まりだったのか
読了日:08月17日 著者:文化学園服飾博物館
ヨーロッパの装飾と文様の感想
大判でカラーなので図版が分かりやすくてよい。最後の方に装飾文様の展開として本や絨毯、また刺繍やレースまで取り上げてるのもよかった。残念なのが各章で言及されている神話等のエピソードが統一されていない点。またモリスの「イチゴ泥棒」がページによってインクの発色がかなり違うものが載せられていたりもした。英米の有名博物館、美術館に展示されている作品の写真も多く、自分がその目で見た物も多数あったはず(覚えていない)のが嬉しかったが、後悔したのはヴィクトリア&アルバート博物館 に行ってなかった事! 次に渡英したら行く!
読了日:08月23日 著者:海野 弘
すぐわかるヨーロッパの装飾文様―美と象徴の世界を旅するの感想
読み進む内に装飾の名称と愛好された時代が自然と覚えられるような本。ヨーロッパの歴史を追っていけるので分かりやすい。図版もカラーで豊富。「すぐわかる」は伊達じゃない、大変とっつきやすい入門書だと思う。ケルトの組紐模様や彩色写本について詳しいのが嬉しい。拡大図もあって大変助かった。アール・デコのページには日本の東京都庭園美術館玄関を飾るルネ・ラリックのガラスレリーフ扉の写真もある。それと似たモチーフのラリック作の立像が古代のページで紹介され、タイトルの「カリアティド」とは女性像をかたどった柱の事と分かる。成程
読了日:08月24日 著者:鶴岡 真弓
ケルト紋様の幾何学:自然のリズムを描く (アルケミスト双書)の感想
あの複雑極まりないケルトの組紐模様はコンパスを駆使して描かれたものだった!意外に思ったが、例えば二股の枝の片方を支点にしてもう片方をぐるりと回せば円ができるのである。松葉とか、一番最初の文房具(?)だったのかも。とはいえケルトの模様を作るにはコンパスの他に定規も必要だが。本書の図版は白黒だが写真ではなく点描のイラストなので各模様の細部までよく分かるのがよい。巻末には様々なケルト模様の描き方まで載っている。読むと簡単そうに思えるが、あれはコンパスを少しずつ何度もずらしては線をひいていくものなので難しいのだよ
読了日:08月25日 著者:アダム テットロウ