クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus
ちなみに私、ノーランの人体アクション上手いと感じた事なくて、「バットマン・ビギンズ」見た時は重心移動が全然正確じゃないからこの方はカラダ自分で使った経験あまりないんだなと思ったもんです。#TENET で厨房アクション見た時も物足りなくて、#鬼手 の方が凄かったなと思ったくらい。
2020年09月22日 13:39
大規模な爆発アクションだったら当然マイケル・ベイの方が上だし、普通のカーアクションだったら「ワイルド・スピード」の方が攻めてるのよね。じゃあ何がノーランの強みかといったら、それはケレン味だと思うのです。今まで誰も見たことのないシーンで観客を驚かす目くらまし。彼は手品が好きだから。
2020年09月22日 13:39
派手な仕掛けで観客の注意をそらすのがノーランの真骨頂だと思います。巨大なトラックが縦回転するとか、飛行機縦に落とすとか、そういうのをぬけぬけとやってしまう所。今回は「逆行」と称して観客を納得させ、フィルムの逆回転を堂々と同時間帯の中で「現実に起こっている事」して見せてる所ですね。
2020年09月22日 13:39
フィルムを逆回しすれば時間が巻き戻って見える、というのは映像トリックの基本中の基本で今なら誰もが知ってます。だから映画等で時を遡るような映像があればみんな思うわけよ、「あ、逆再生してる」って。それを敢えて取り入れつつ、かつ単なる逆再生だと観客に思わせないってのがノーランの凄い所。
2020年09月22日 13:39
それは時間の「順行」と「逆行」を同画面上に出す事で可能となるわけですが、その前に観客にそれを納得させて受け入れるだけの素地を作っておかなきゃならない。ノーラン作品の中でもそこに最も苦労したのがこの #TENET だと思います。物理学持ち出して見事にやってのけたのはさすがですね。
2020年09月22日 13:39
ただそこに時間をとられて主人公の内面に深く切り込んでないのはちょっと残念。彼の人物像って周囲にいる人々を通してしか伝わってこないんです。まあ、あの有能で冷徹なニールが彼に対する時だけは常ににこにこ親密な笑みを浮かべてるだけで「良い人」認定には充分なんですが。ロブの笑顔って最強♪
2020年09月22日 13:39
でも別に今回ノーランは主人公に何かを語らせる必要はなかったんでしょうね。「逆行」という壮大にして陳腐なトリックを仕掛けている裏でクリストファー・ノーランが真に語りたかった事は別にあるはずなんです。だって、それが手品の本質ですから。ノーランは映画監督である前に手品師なんですよ。
2020年09月22日 13:39
それは謎でも何でもなく、劇中でしっかり語られてますよ。未来の人々が何故現代（スマホあるので）に「逆行」して自分達の「現在」、私達の「未来」をやり直したいと思ったのか。「未来」の状況がどんなものであるのか。「インターステラー」で見たのと同様の、温暖化による地上の荒廃が語られている。
2020年09月22日 13:39
私達が現在の生活を続けていれば早晩人類は滅びますよ、とクリストファー・ノーランは警鐘を鳴らしているのです。でもそんな事マジで言ったって普通の人は耳を貸さないし（貸さないですよ？ グレタさん、見たでしょ？）、そのまま映画にしても誰も見ないしね。だからトリックを仕掛けるしかない。
2020年09月22日 13:39
