クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus#行き止まりの世界に生まれて ドキュメンタリーなのだが、メインの登場人物である青年とその彼女が美男美女で、あたかも普通に映画に出演している俳優達のようだ。彼らと共に過ごしつつ、折に触れては撮影をし、今回作品にまとめたのが監督なわけ… https://t.co/3eS0XQ9hhn
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus(承前)それともそもそも友達が被写体として完璧だったから撮影する気になったのだろうか。本筋とは完璧に離れたことであるのは百も承知だが、ふとそう思った。これは例えだが、「バナナフィッシュ」のアッシュと知り合った英二が、趣味で撮影してた映像が長年の内に膨大になったのでまとめたみたいな
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusもう一人印象的な少年が出てきて、さらに撮影してきた監督自身も何故そうせざるを得なかったのかという心情を吐露するシーンもつけ加えられ、基本は三人の成長物語という体裁になっているが、でも違う。主人公はザックだ。彼はアッシュのように恐い物知らず特有の輝きで周囲の者を魅了していたのだろう
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus映画の半分はザックの映像のように私には思えた。印象的なキアーのシーンも多いが、観客の目と心を奪うのは疑いもなくザックの方だ。彼が教育もなく、自堕落な生活を送っている姿を見せつけられても、それでも観客の興味はザックにある。キアーでも監督でもないのだ。カリスマ性とはそういうものだ。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus監督は一時期ザックに心酔していたのだと思う。自分のヒーローだった時があるのだろう。いつかはザックに焦点をあてたドキュメンタリーにしたいと思って映像をとりためていたのかもしれない。だがある時、彼のその思いを覆す決定的な事が起こり、ザックはヒーローとしての立場を失ってしまった。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusそのシーンは作品の中できちんと描かれている。監督が、ザックから、自分の理想像をひきはがすシーン。あんなにカッコイイと思っていた男が、実は自分の継父と同じと知って幻滅し、それまで自分の中に築き上げていた理想のザックの姿が瓦解するシーンだ。これがあるからこそ、本作は名作なのである。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusあのね、表面的にはこれは貧困にあえぎながらもスケボーで束の間の自由を味わいつつ何とか暮らしを立てていってるアメリカの現代の若者の姿ですよ、解説に書かれている通り。監督のインタビューにもある通り。だけどそんな作品、他にもごまんとあるじゃん。フィクションでもノンフィクションでも。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusでは何が観客の心にひっかかり、爪痕を残し、忘れられない作品となるかというと、それはザックが自分が描く理想とは程遠い、ただの人間であると監督が真に悟ったその瞬間が描かれているから。自分自身のそんな…抉られた心が真っ赤な血を流しているようなシーンを、この監督は敢えて残しているのよ。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusそれが、芸術と言われるにふさわしい、究極の自己表現だったから、この作品は各賞にノミネートされたのでしょう。この作品のテイストに近い映画、私知ってるもん。「路上/オン・ザ・ロード」で、原作はジャック・ケルアックの有名な文学作品。これも自分の友達がモデルの作品だしね。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusだからさ、「行き止まりの世界に生まれて」を見るにあたって、アメリカの人種差別がどうとか貧困がこうとか殆ど関係ないのよ。監督が描きたかったのは家庭内で起きる暴力沙汰、弱い者に強い者がふるう暴力よ。それを明確にするために、自分の母親まで出演させて強引にまとめたんだから。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus日常的に暴力をふるわれていた者は、いつしか自分より弱い相手がみのまわりに現れた時、当たり前のように暴力をふるうようになる。それに気づいた時に、監督の中にこの作品の萌芽が生まれたんだろうな。ドキュメンタリーとして面白いのは、該当シーンが何年も前のものだろうにしっかり残ってる所です。
2020年10月23日 01:08
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusで、改めて思うわけです。ザックがいなかったら、この作品は生まれなかっただろうって。ザックは監督にとってアッシュであり、「路上」のディーンであり、「17歳のカルテ」のリサなのだ。現実に生きるそういう人物をドキュメンタリーで見られるって、すごくない? この作品の魅力はそこです。
2020年10月23日 01:08