クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus
#ある画家の数奇な運命 大変長尺な作品で、普通の映画ならもう見終わってるよな？ と思えてきた辺りで大体三分の二。とはいえ本作中では時間の流れが順当なので苦にならない。特に「テネット」とか「ストレイ・ドッグ」とかトリッキーな作品見た… https://t.co/wggNvoezkf
2020年11月08日 17:17
西洋絵画の美術史は何となく頭に入ってるつもりだった。ナチス時代にヒトラーが現代絵画が嫌いだからと焼き払った事も知っていた。でもこの映画を見て、自分の知識にポコンと穴が開いていた事を知った。それは冷戦時代の東側のヨーロッパ絵画。はあ～、こんな絵、描いてた/描かされてたのか～、と。
2020年11月08日 17:17
西洋絵画の美術史は何となく頭に入ってるつもりだった。ナチス時代にヒトラーが現代絵画が嫌いだからと焼き払った事も知っていた。でもこの映画を見て、自分の知識にポコンと穴が開いていた事を知った。それは冷戦時代の東側のヨーロッパ絵画。はあ～、こんな絵、描いてた/描かされてたのか～、と。
2020年11月08日 17:17
そういう絵自体は実はよく目にした覚えがあるのよね。前世紀の終わりに中国に住んでた頃、あちこちにまだ残ってた。壁画もあったし、たぶん緞帳にも見た。農村や工場の労働、勇敢な男女の軍人を称えるような図案で、実際本作で主人公が描かされていたのと大差ない。当時の中国でさえ過去の物だった。
2020年11月08日 17:17
当時の東ドイツを初めとするソ連側の絵画作品って、ヨーロッパの美術史に残るんだろうか？ それとも黙殺され、顧みられることもないまま忘れ去られる運命なのだろうか？ 或いは但し書き付で「表現の自由がなかった時代、画家が描ける物は政府主導の作品しかなかった」と小さな写真が載るのだろうか。
2020年11月08日 17:17
芸術は自己表現とされているから、自己＝自分の内面をさらけ出していない絵画に価値は見いだされない。政府が良しと判断したものしか認められなかった時代の芸術が顧みられなくなるのはそういう理由による。芸術は、学問同様、自由でなくてはならないのだ。
2020年11月08日 17:17
その思いに突き動かされて主人公は亡命する。まだベルリンに壁のできる前。彼のモデルとなったのは現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターだそうだが、折しもな彼の作品をポーラ美術館が30億円で落札したというニュースが流れてきた。絵のために亡命する気概のある芸術家にはふさわしい価値なのかも
2020年11月08日 17:17
#ある画家の数奇な運命 本作の冒頭部分は「障害者の安楽死計画とホロコースト ナチスの忘れ去られた犯罪」という本で詳しく読んだばかり。またインスタレーションについては映画「草間彌生∞INFINITY」、ベルリンの壁については「ブリッジ・オブ・スパイ」を見ていたのが大変参考になった。
2020年11月08日 21:00
#ある画家の数奇な運命 ってタイトルの割には画家のたどる運命が数奇じゃなかったのがちと残念。ゴッホの方がよっぽど数奇だと思う。もっともそれはご本人の性格＆病気その他によるものだが。本作の画家さんは温厚で実直な人なので、前半生が大層不遇なだけなんだよね。
2020年11月08日 21:54
#ある画家の数奇な運命 実は衣装デザインが素晴らしい。物語の冒頭で幼い主人公を美術館に連れて行く年若い叔母が身にまとう軽やかなワンピース、上品でプレーンなデザインなのに、つかず離れずする布が彼女の身体の線をくっきりと浮かび上がらせるのだ。若さの持つ清純さと際だつエロスの両立。
2020年11月09日 01:15
そのワンピースは戦前のものだが、戦後になって主人公の恋人が着ている服もまたシックで素敵なのである。物がないと言われる時代でも女性達はある物でお洒落を楽しんでいたことがよく分かる。王侯貴族やセレブではない、市井の女性達を彩る普通の服のはずなのに、衣装がこんなにも美しいなんて！
2020年11月09日 01:16
本作では彼女達が全裸になるシーンもある。その堂々とした姿を見て思い出したのがクリムトの絵画である。彼が描いたモデル達のプロポーションもこんな感じだったのか。それともそれらを総合して描いた理想化された裸体像に彼女達が近いのか。こんなに美しい身体なら美しい衣装を着せたくなるはずだわ
2020年11月09日 01:16
