クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus#ジョーンの秘密 これも実話ベースではあるが、原作はそれを元に書かれた小説になっているのでフィクションの部分が大きいと思う。この作品で最も重要なのは彼女が何故国家機密を漏洩したかという理由にあるのだが、何となくそこが創作ではないかという印象を受けたのだ。少々具体性に欠けるので。
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusでも #オフィシャル・シークレット を見た後で、そういうこともあり得るかな、とも思った。ただし、小説が発表されたのが2013年だから、このヒロインに現実に起きた事件の当事者であるキャサリン(オフィシャルの主人公)の思想を投影させた… https://t.co/fDEDSZr2xy
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus#ジョーンの秘密 におけるヒロインの動機って、実は 「レッド・オクトーバーを追え!」(先日ショーン・コネリー追悼で放映されたのを見たので……)のラミウス大佐のそれに程近い。東西に分断された世界に戦火をもたらさないためには戦力を拮抗させておくのがいいという思想。それで平和が得られる
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus若い時の決断を長く生きる間に間違ってなかったと確信したジョーンはだから強い。規則を破り法は犯したかもしれないが、自分は正しい事をしたという信念は揺るがない。常に堂々としてる彼女の姿はキャサリンと二重写しになる。キャサリンと違いジョーンは自分が「間に合った」事を見ているから尚更
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusこの二人と対照的なヒロインが #ストレイ・ドッグ のエリンである。悪びれず、後悔もせず、子どもを立派に育て上げたジョーンに比べ、自責に身を焼き、苦悩に悶えるエリンは娘を深く愛しながらも彼女を幸福にする事ができない。それはエリンが自らが幸せになる事を決して許さないせいなのだ。
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus人間、自分が間違った事をしたと思いつつ生きながらえる程強くない。間違いを正す事ができればそれば一番だが、それができない場合は「実は間違ってなかった」「間違ったのは他人のせいで自分は悪くない」と言い逃れる。「法は破ったが、それは正しい行いのためだった」と信じるのも一つの方法だ。
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusエリンだってそんなことは100通りも考えたに違いない。「一番悪いのはあの野郎だ、私は悪くない」と。だが幾らそう言い聞かせようとしても、彼女の冷徹な観察眼と判断力が「それは違う。悪いのは私」と繰り返し繰り返しささやき続けるのだ。それが事実だから。エリンというキャラクターが際だつのは
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus彼女が決してその事実から目を背けない点にある。だましだまし生きてても、冷厳な事実は変えられないと彼女は心の底で悟っていたのだ。そこにエリンの美しさがある。彼女を見ているとふと「死にゆく者への祈り」を思い出す。かつては男性のみに許されていたような悲壮美を、今は女性でも表現できるのだ
2020年11月11日 19:33
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus#ジョーンの秘密 この作品の面白さって、ひとえにヒロイン、ジョーンの造形にあるんだと思う。若い頃をソフィー・クックソン(「キングスマン」のロクシー)、その後をデイム・ジュディ・デンチ(「007」のM)が演じているのだが、どちらも素晴らしい。頭脳明晰で気概と意志の強さを備えている。
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusこれ、一昔前なら、ケンブリッジに入学したものの奥手で容姿もぱっとしない地味な女学生が外国生まれのスマートでハンサムな男性に籠絡され、知らぬ間にスパイとして働かされ純愛を信じて待つこと半世紀、とか言う話になってたかもしれないのだ。でも全然そうじゃない。先のツイートでも書いたが
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusジョーンは自らの意志でそうしたのだし、それを悪びれることもなかったのだ。このヒロイン像は新しい。ソフィーもデイムも目を伏せることがない。常に強い視線を真っ直ぐ前に向けてそらさない。若い頃は世間知らずだったとしても、決して馬鹿ではないのである。そりゃそうだ、ケンブリッジ生だもの
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusこの映画で一番驚いたのは1938年という時代にジョーンがケンブリッジで物理学を専攻する大学生だった事かもしれない。あの時代に女性を受け入れてたとは、なんと先進的な。学問だけじゃなく思想も自由なので、共産党(いわゆるアカですな)のオルグ(って死語?)も堂々と活動してるんですよ。
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusそれで「戦艦ポチョムキン」の上映会なんてやってる(無声映画だからね)。この時代って「ある画家の数奇な運命」の冒頭とほぼ同時期なんですよね。ドイツではナチスが台頭してすでに退廃芸術を排斥している頃、英国は表面まだまだ自由だったわけです。一応警察の目を盗んでの行為ではありますが。
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusマルクスの「共産主義宣言」はイギリスでも出版されたしその思想を歓迎する人々もいたから、ソ連が理想の国家であると熱っぽく語られると受け入れられる素地はあったんだな、と。今とは情報の伝わり方が違うんですよね。すっかり忘れていたけれど、実は自分の大学時代ってそういう感覚ありましたよ
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus話は飛びますが、映画「裏切りのサーカス」の二重スパイもこうやってリクルートされたんだなあと思ったわけです。原作が書かれた時代には周知の事実だったかもしれないですが、10年くらい前に映画を見た時には「なんでー?」って思ったんですよ、私。その答えを「ジョーン」で見た気がしました。
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusさて、そうやって取り込まれたジョーンですが、どっこい、一筋縄ではいかない。男の言うことなら黙って何でもきくという女性じゃないのがいいんですね♪利用するばっかりでプロポーズもしない男にはちゃんとそう言って怒る。そこが現代的なんですよ。昔だったら言うなりになってそっと涙を拭うだけ
2020年11月12日 01:28
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus子どもの頃そういう女性像をさんざん見せられ「あんたバッカじゃないの?」と心の中で叫んでいた私は、言うべきことをきっちり言うジョーンに声援を送ってたくらいです。そういう細かい積み重ねがあるから彼女の言い分を理解できるんです。ソフィーとデイムにはきちんと連続性がある。そこがいいんです
2020年11月12日 01:28