12月の読書メーター
読んだ本の数:10
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ナイス数:39

赤毛のアン (文春文庫)赤毛のアン (文春文庫)感想
子どもの頃の愛読書。最新のドラマを見ていたらそれに関するツイートもたくさんあって、新訳で訳注付という本書に興味が湧いた。幼い頃のアンのトンデモぶりは今読み返しても大笑いしてしまい、物語を読み進めたくて訳注を読むのがもどかしく思える程。しかし幾度にもわたる現地取材と徹底した調査に基づくこの訳注は素晴らしい。あれこれ引用される詩の原典だけでなく、当時のカナダの世相や社会状況等も詳細に書かれていて、アンの暮らしていた世界がどのようだったか手に取るようによくわかる。注釈が多くて読むのに時間はかかるがその価値はある
読了日:12月12日 著者:L・M・モンゴメリ


アンの青春 (文春文庫)アンの青春 (文春文庫)感想
アンは16歳で教師となり、相応の敬意を周囲から受けるようになる。子ども時代の弾けるような想像は影を潜め、大人の女性としての道を歩み始める。当時のプリンスエドワード島の女性達は「家事を切り盛り」する事で生存の一翼を担っていた。火をおこし、料理を作り、保存食を常備し、型紙をあてて布を裁断し手縫いで服を仕立てる。掃除も洗濯も全部手作業。その合間に趣味として編み物や刺繍でベッドカバーなどを飾る。もちろん自分の農場や家畜・家禽の面倒も見ながらだ。さらに宗教的な行事にも積極的に参加する。そういう描写もまた面白いのだ。
読了日:12月21日 著者:L.M. モンゴメリ

 


キオスク (はじめて出逢う世界のおはなし オーストリア編)キオスク (はじめて出逢う世界のおはなし オーストリア編)感想
これを原作とする映画を見たのだが映像が観念的過ぎてイマイチ何を伝えたいのかよく分からなかった。それで本書を読んだのだが、こちらは文章も美しく内容も平明で分かりやすかった。本国ではベストセラーだったそうなので、あの映画はすでに読んだ人を対象に、映像ではこのように表現してみましたと見せる作品だったのだろう。しかし戦前のオーストリアの田舎でのびのび育った17歳ってあんなに無垢で無知で向こう見ずだったのだろうか?彼がとった行動の理由は、映画の方が分かりやすかった。彼は墺人が当時持つべきだった良心の姿、理想像なのだ
読了日:12月06日 著者:ローベルト ゼーターラー


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