1月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:2936
ナイス数:28
夢見る帝国図書館 (文春e-book)の感想
一気呵成に読んでしまった。物語の構造も話もその背景も無類に面白い。が、何より読むにつれその時の主人公の気持ちがよく分かるのがよい。最近現代アメリカに暮らす無骨な中年男が10代の娘を愛しつつも腫れ物のように扱う小説ばかり読んではつまらないなあと思っていたが、それは主人公の気持ちに寄り添う事ができなかったためと本書のおかげで分かった。このトシになると自分から遠い世界には共感が抱けなくなるのだろうか。世界を狭めないためにももっとたくさん様々な本を読まねばならない。本書は半年待ちだったがそれでも図書館は有り難い。
読了日:01月18日 著者:中島 京子
絵画・文芸にみるヨーロッパ服飾史の感想
図書館で借りたものは1991年の版でこれとはカバー絵が違うが、画像をクリックしてアマゾンに飛ぶと出てくるのが同じカバー絵のものなので、たぶん同じ本なのだろう。ヨーロッパ服飾史というタイトルだが後半は専らフランスのモードの話になるので、やはりファッションを勉強するにおいてフランス史は避けられないとみた。そのさらに後半はフランス宮廷に始まる舞台衣装からバルザックの小説の登場人物の描写による衣類の身分制度の違い等を読み解くものだったので仏文学の素養も必要とされるのだった。衣装の時代考証は大変な作業なのだと実感。
読了日:01月01日 著者:菅原 珠子