5月の読書メーター
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ナイス数:31
人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差 (中公新書)の感想
元は風土病であったものが人の移動と共に広まって、免疫をもたない人々に大流行をもたらす感染症。コレラは1817~19年にインドで流行してから中国、日本、東南アジアへと感染拡大したそうだ。韓ドラ「風と雲と雨と」で見る疫病の症状が嘔吐であり、それまでの天然痘に代表される発疹ではないのが不思議だったのだが、時代が1849~63にあたるのであれはコレラなのだろう。国をまたいで広がる感染症には国際協力が欠かせない。格差に満ちた国際社会が感染症の脅威に立ち向かうにはどうすればいいのか。WHOにはもはやその力はなさそうだ
読了日:05月06日 著者:詫摩佳代
感染症の日本史 (文春新書)の感想
最初の内はまだるっこしい感じだったが、第三章あたりからぐんと面白くなった。韓ドラの「馬医」に「朝鮮では失われたが倭国に残っていた医書」というのが出てくるのだが、本書に直江兼続が秀吉の朝鮮出兵の際、三百巻からなる医書「済世救方」を全て筆写させたと書かれていたので、そういう事も充分あり得ると納得できたのが嬉しい。感染症も朝鮮経由で渡ってきたらしいが。本書ではワクチンの重要性と共に罹患後回復した人に医療現場で働いて貰ってはどうかという提言も繰り返される。尤もな意見だが、日本ではボランティアのタダ働きになりそうだ
読了日:05月31日 著者:磯田 道史