クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus『TOVE/トーベ』作品を通して何を伝えたいのかがまるで分からない映画だった。最初の方はそれでも『ムーミン』の原作者の人生だからと興味もあったのだが、次第にそれもどうでもよくなり後半はただ退屈だった。トーベ本人は刺激的な人生を歩んでいても、観客である私には関係ないわという気分。
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus「芸術家」としての生き方を模索しつつ愛にも迷うトーベ。だが彼女が「バイセクシュアル」という一点を除けば、格段目新しい筋立てではないのである。落ち着いた関係の恋人(妻帯者)がいるのに新しい恋人(女性)に夢中になるも、その不実さに傷つくヒロインって既にメロドラマでも飽きられてるよ
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusまあ()でくくった部分が前世紀ならばスキャンダラスで刺激的だったのでしょうが、去年今年辺りで女性同士の恋愛映画は珍しくもなくなったので。しかも『TOVE』ではそこはさらりと流しているので、見る側に訴えるものもないのよね。
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus例えば韓国映画の『お嬢さん』ではそこを濃密に描く事で二人の女性の結びつきの強さというものが観客に伝わって来るのですよ。自分の肉体にこれだけの快楽をよびおこせる相手というのは、互いに無二の存在であろうとね。そんな相手のためなら命だってそりゃかけるでしょう、と。
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus『TOVE』にはその部分の描写が欠けているので、愛の深さが分からない。トフスランとビフスランに言付けて「二人にしか分からない世界がある」と説明されるけれども、それがどういう事情でそこまで深まったのかが伝わって来ないのだ。トフとビフだって「ムーミン」読んでなきゃ意味不明だと思うし。
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus例えばコリン・ファースとスタンリー・トゥッチの『スーパーノヴァ』には濃厚なからみというのは出てこなくて、ただダブルベッドで二人が寝ているシーンがあるだけなのだが、そこに横たわる老いの兆しのある肉体の様子だけでカップルとして過ごした年月の重みと愛が余すことなく伝わってくる。
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusまたタイのドラマを映画化した『2gether 』では「同性愛」というよりも「愛による対等な人間関係」を男子二人が築いていく過程が描写される。両作品とも身体の異なる男女ではなし得ない同性同士の対等な関係を描いて秀逸なので『TOVE』… https://t.co/RP8UIA5TH3
2021年12月05日 11:52
『TOVE』でもそこを狙ったのかもしれないが、どうやら残念な結果に終わったようだ。
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus同性愛はメインではなく『ムーミン』の作者としての伝記映画にしたかった、というにしてはムーミンの出番がなさすぎるのだ。トーベにとってムーミン達は落書き、手慰みにすぎず、物語は退屈しのぎに勝手にわき出てくるもので特に彼女の人生の反映ではないとされたら、とりつく島もないではないか!
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus実の所ムーミンは彼女自身である。世間に受けた『ムーミン』では「芸術家」として父に認められなかったトーベは、その父と同じ事を彼女が生んだムーミンに対してずっとしてきた。世界中から愛されてるのに作者であるトーベだけはムーミンを蔑んで扱ってきた。自分が父にそうされてきたように。
2021年12月05日 11:52
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusだからこの映画のクライマックスはその親子二代にわたる呪縛が解けるシーンにあるのだが、そこもあまりにもさらりと流されてしまうために感動が薄い。というか遅れてやってくる。「あ、そうだったの?」みたいな感じで、気づくと映画が終わってる。どこまでも隔靴掻痒で伝わらない映画だった。
2021年12月05日 11:52