11月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2012
ナイス数:25
スリープ (ハルキ文庫)の感想
中二女子で148cm42kgは決して標準体型ではない。平均身長は156~7cmだからかなり低い。体重は身長相応だから、バストとヒップの発育の事を言ってるのかもしれないが、見た目小学生である。そんな14歳の少女と44歳の男性との間に純愛が芽生えるとしたらこういう状況で…と納得させるように作者は書いているのだが、成人女性が読むと気持ち悪い。「行き過ぎた科学は人類を不幸にする」等とも書いてるが、44歳男は束の間とはいえそれで充分幸せを得ているのだからテーマとして成立していない。30年の男の純愛など妄執にすぎんわ
読了日:11月11日 著者:乾 くるみ
六つの手掛りの感想
初出が2006年でその後2~3年に渡って書かれた作品群なので、今読むと女性観が若干古い。しかし08年でも56才の女性は髪を二つに分けて耳の上で結んだりしない。そして髪をきっちりまとめて留めておきたい時はヘアゴムを使う。リボンだけでは結んでおけないのだ。本書のキャラはどれもミステリのパズルを構成するコマに過ぎないので、読んでると別に誰が犯人でも構わないやという気になってくるためスリルもサスペンスも胸をなで下ろすこともない。簡単に人を殺す犯人達の動機は薄く心理の説明もない。読み易くはあるが面白いと思えなかった
読了日:11月12日 著者:乾 くるみ
イニシエーション・ラブ (文春文庫)の感想
80年代の大学生周辺のラブストーリーをうんうんそういう時代だったよねと肯きつつ、いつミステリーになるんだと首をひねりながら読んでいたら『リピート』の登場人物が出てきたので一瞬期待したのだが単なる脇役だった。何なんだよと思って迎えたラストで「えっ?」となり全ての謎が解けた。途中から感じていた違和感の正体も理解でき、なるほどなと納得。それはさておき、この作者の描く人物はどうしてこうも不愉快な人間ばかりなのだろう? 「仕掛け」がメインの作品なので人間性は重要ではないのだろうが、それにしても毎回こうだとイヤになる
読了日:11月15日 著者:乾 くるみ