1月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3229
ナイス数:21
鬼火(上) (講談社文庫)の感想
ボッシュ、バラード、ハラーの三人がそれぞれの事件に関わりつつ、次第に一つにつながっていく展開が見事。しかしさすがのボッシュにも「老い」が迫っているのが感じられるのが悲しい。作者は次世代の準備をしているのだろうか。まだまだボッシュがサイボーグ手術受けるとかなんでもいいからこの先50年ぐらいは延命をはかって欲しいわ。これだけ面白いシリーズはそうないもの。上下巻一気読みして夢心地になるような読書体験は滅多にできない。どの伏線もきちんと過回収され収まるべき所に収まって破綻なし。最高じゃん?
読了日:01月31日 著者:マイクル・コナリー
鬼火(下) (講談社文庫)の感想
何故その書類がそこにあったのか、という謎自体は容易に見当がつくものなのだが、それが明るみに出た時に引き起こされる事態の大きさ、重さというのが自分にはピンと来ていなかった。その部分をしっかりと、誰にでも分かるように書けるのがコナリーの素晴らしい所だと思う。それによってボッシュが如何に衝撃を受けているかの記述がまた良い。常に時代の空気を敏感に反映しているのがこのシリーズの上手い所で、「かつてはこういう時代だった、だから仕方がない」で終わらせない所が私が好きな理由である。「かつてはそうでも、今は違う」のだから。
読了日:01月31日 著者:マイクル・コナリー