1月の読書メーター
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メッシュ I  萩尾望都Perfect Selection 4 (フラワーコミックススペシャル)メッシュ I  萩尾望都Perfect Selection 4 (フラワーコミックススペシャル)感想
第一話から死と断絶がテーマなのだった。メッシュは自覚のない死神、死の天使。だから行く先々に死をもたらす。自己にも他者にも容赦なく。彼はトーマであり、ユリスモールでもある。オスカーの代わりにミロンを得た時のみ、彼の人生には光があたるのだろう。かつて「ポーの一族」と「トーマの心臓」で萩尾が少女達のハートを鷲掴みにした時、その理由は優れた画力や題材の斬新さにある等言われたが、今読み返すと分かる。私達は萩尾作品の中に自分と同じ親との葛藤を読み取っていたのだ。「わかり合えなさ」をこんなにも美しく描く人は他にいない。
読了日:01月08日 著者:萩尾 望都


メッシュ II  萩尾望都Perfect Selection 5 (フラワーコミックススペシャル)メッシュ II  萩尾望都Perfect Selection 5 (フラワーコミックススペシャル)感想
連載時は毎号立ち読みだったため諸事情で最終回を読み損ない、それっきりにしていた。男達に襲われかけで次号に続いたメッシュのその後を確かめるのが多分私は恐かったのだ。初出から40年近くたってようやく最後まで読み終え、想像以上に過酷な彼の人生に戦慄した。私にはメッシュが実の父の目の前で鉄道自殺を図ったように思える。自分の血を受け継ぐ唯一の息子が目の前で死ぬ以上の父親への復讐はないだろうから。母には拒まれ父には捨てられ友人兼保護者は自分のせいで怪我をして、そんな時に衝動的に取る行動としてそれ以外は考えられないから
読了日:01月08日 著者:萩尾望都