1月の読書メーター
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ナイス数:21
自由軌道 (創元SF文庫)の感想
扱ってる主題は現代にも通じて大層面白いのだが、ジェンダー関連では時代の隔たりを感じる。男女ともフルタイムで働きながら育児が疑問の余地さえなく母親=女の仕事とされてたり、セックスや中絶が当たり前の事として語られる一方で避妊を女性側の問題として押しつけたり。前世紀には想像のできなかった未来を現代の私達は生きている。スマホのない未来ではコンピューター制御が必要そうな作業も人の目や手で行っていて、ふと「宇宙のスカイラーク」を思い出した。最終的な実行者が人間だからこそ生まれる「余地」に往年のSFの神髄はあったのだ。
読了日:01月30日 著者:ロイス・マクマスター・ビジョルド
戦士志願の感想
本書が書かれた1980年代か、或いは日本で出版された90年代ならとても楽しく読めたのだろう。だが自分も年を取ったし、何より時代が変わってしまったせいでこの手のスペースオペラを受け入れるのが難しくなってしまった。本書の主人公はかつて大好きだった「宇宙大作戦」のカーク船長によく似ていて、行き当たりばったりに行動してはハッタリ一つで危機を乗り切っていく。彼が貴族階級と設定されているのは「DUNE」の様でSF好きには本当にたまらなく面白い作品だったはずなのだ。だが今はどうしても馬鹿馬鹿しさを感じてしまう。悲しい。
読了日:01月30日 著者:ロイス・マクマスター・ビジョルド