5月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2512
ナイス数:42
レンブラントをとり返せ -ロンドン警視庁美術骨董捜査班- (新潮文庫)の感想
何かちょっとまとまりが悪いというか、途中で焦点がブレて行き先が二つに分かれたけど気にせずそのまま突っ走ったみたいな印象。いや、元々そういうプロットだったのだろうが、私としてはもっと焦点を絞った作品の方が好みなので(例えば『ダ・ヴィンチコード』みたいな)。いえ、面白いんですよ、もちろん。でも夢中になれない。理由は明かで、”傑作絵画を手に入れるためなら多少の事には目をつぶっても構わないだろう" という思想がダメなのよ。英国的な結論まで遠回りした挙げ句はっきりさせない勿体ぶった物言いは好みではあるんですが。
読了日:05月21日 著者:ジェフリー・アーチャー
まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班 (ハーパーBOOKS)の感想
う~ん。読んでいる間はハラハラドキドキして面白いんだけど、な~んか好きになりきれないんだな~。善人側と悪人側にそれぞれの主役をたてて、勝敗を交互に振り分けていくような作り方で、読後感がスッキリしない。物語の舞台当時のロンドンにあった「差別意識」を書き出し、それがいずれは是正されるべきだと示唆するあたりがベストセラー作家の面目躍如なのだろう。同時にある登場人物に「私の世代は、コルディッツ捕虜収容所、ダンケルクとナバロンの戦いで育ったのですから」と言わせるあたり、高齢の読者に対してもぬかりないな、と。
読了日:05月29日 著者:ジェフリー アーチャー
論理的美術鑑賞 人物×背景×時代でどんな絵画でも読み解けるの感想
文中「ヒーローズジャーニー」という単語が出てきた。「貴種流離」と同意だが、文字数が稼げる上読みやすいし意味もそのまま何となく分かるのでこの語を使ったのだろう。対象とする読者が読書や映画鑑賞といった体験が少ないと設定されている事が分かる。美術の授業は時間のムダと思っていたがビジネスに役立つならやるかと一念発起した人が本書を手に取るのだろう。内容は普通に絵画鑑賞のやり方なのだが、フレームワークを使って感情抜きの単なる「作業」に仕立ててあるのがミソ。でも項目を埋めるにはかなりの時間と手間がかかるのだが大丈夫か?
読了日:05月07日 著者:堀越 啓