6月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1999
ナイス数:32
囚われのスナイパー(上) (扶桑社BOOKSミステリー)の感想
老いてからが本領の主人公、ボブ・リー・スワガー、御年74才、身体に故障と怪我の後遺症をかかえつつ、それでも冴えた双眸が曇ることはない。今回彼を狙うのは研ぎ澄まされた舌鋒。いや、銃で狙われる方がよっぽどかわしやすいんじゃない、それ?! 思いも寄らぬ展開にボブ・リーだけでなく読者も目を白黒。何しろこの攻撃相手が一筋縄ではいかない。前作『ベイジル~』で突如噴出された悪趣味に近いユーモアが「敵陣」を描写する章ではいかんなく発揮されていて、ここ笑っていいんだよね?と自問自答しながらプププと笑ってしまったりする。
読了日:06月26日 著者:スティーヴン・ハンター
囚われのスナイパー(下) (扶桑社BOOKSミステリー)の感想
上巻ではバラバラに動いていた登場人物が下巻で一堂に会し、物語は一気に盛り上がる。相変わらず脇役達が生き生きとしていて面白い。某ご一家ね、絶対その国の出身だと思ったわよ。『イースタン・プロミス』に出てくるのと同じイメージだったからさ。この作品は本書では言及されないが、第一章のタイトルが「モルドール」だったりして、結構映画ネタが仕込まれてて楽しい。ボブもそうだが、軍で技量を磨いたのに民間ではそれが生かせない人達が出てくる。そして彼らはもはや金払いのいい裏稼業につくことを悪い事だとは思っていない。世の中の流れだ
読了日:06月26日 著者:スティーヴン・ハンター