いや~、おもしろかった!

80回の長丁場を中だるみせずに走り抜けるなんてすごいことですよ? キャストやスタッフの皆様の努力の賜ですね!

毎回この先どうなるのかとハラハラしながら見てました。いや、歴史的にどうなるかはすでに知ってたんだけどさ、ドラマの展開がね。

そうしたら最終回直前にして一大どんでん返し! いやまさかあのカレとこのカレがそうなるとは夢にも思いませんでしたよ。しかしこれぞ韓国映画の黄金パターンなんですね。血のつながらない兄弟があらゆる障害を乗り越えて手を結び、協力して共通の強敵(頭韻をふんだわけではない)に立ち向かい、勝つ! というの。そうか~、最後にここにもってくるために今までの78回があったのか~と感心してしまいましたわ。

 

4ヶ月にわたって見ていたので、主人公初め登場時分はチンピラだった連中がすっかり立派に成長したのを見ては「まあ、偉くなって……」と毎回そっと涙を拭いたい気分にかられてただけに感激もひとしお。

 

このドラマはサブテーマが『鋼鉄を鍛える技術の向上』にあったので回がすすむにつれて剣が丈夫になるだけでなく、その他の武具の性能も増していって、最終回近くの鎧などもう『星闘士星矢』かってぐらい派手で格好よくなってました。広い草原での戦闘シーンなんかも気合い入ってて見応えあったし、『ロード・オブ・ザ・リング』の古朝鮮版って感じだったわよ(指輪は捨てません)。音楽は『ロード』の他に『タイタニック』の影響もちょっとあったみたいだけど、どっちにしても悠々として美しかった。

 

とはいえ後半、見栄えにこだわるあまり当時の技術でそれはなかったんじゃないのという矛盾点も幾つかありましたね。

一番変だったのは紙の扱いね。

チュモンの時代、紙は発明されてました。後漢では文書を紙にしたためて巻物にしてました。

でもチュモンが若かりし頃の 扶余 (プヨ)など古朝鮮では竹簡が一般的だったんですよ。わりとしばらく文書は竹簡、地図みたいに広い面積必要なものにはなめし皮が使われてました。その時代の古朝鮮にはまだ紙漉の技術が伝わってないか、伝わって他としてもごく初歩的なものだった、ということですよね。だって紙に書く方が便利なんだから、良い紙が潤沢にあったら文書にはそれ使うでしょうよ。まあ、あまりにも高価であればよっぽどの場合以外使わなかったかもしれませんが。

 

ところがその「紙」が、王様でさえ滅多に使えなさそうなレアで高価なはずの紙が、ふと見ると窓一面に貼られてたりする。丁度障子みたいな感じで。当時そんなでかい紙を梳く技術があったのか? というより、そんなとこに紙つかうんだったら、物書くのに使うだろうよと私は思う。違うだろうか? 記録に使うよりも高級感あるインテリアに使おうというのが人の心だろうか?

 

いやこれ絶対美術さんの勇み足だって。

或いはセットが高麗とか朝鮮とかずっと先の時代のものと同じだからかもしれない。

 

でもさらに「絶対これ違う!」と思ったのは提灯ね。まるで現代でも見かけるのと同様な赤提灯。赤く染めた上でなお光を透過させる薄くて丈夫な紙がなければあれは作れないと思うんだけど。そんな紙あったら真っ先に文字書くのに使ってない? それ以前にあまりにも現代的な風景だったのでつい笑ってしまったけど。夜間の照明が灯火しかなかった時代は日が暮れたらさっさと寝たんじゃないかね~? 実際チュモン達が夜間や洞窟内で使うのはたいまつだし。鉄器の発達については細かいワリにその他の技術の発展具合についてはかなりいい加減だったような気がします。まあ、美術は見た目が大事だから仕方ないか。それ言い出したら衣装もアクセサリーも……だもんね。

 

ああ、それにしても見応えのあるドラマだった。

一国の指導者にはこういう人が望ましいわ。

民との約束をしっかり守るのが誠実というものですよ、うん。