クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus今年の映画って大きく分けて二つの潮流があって、一つは「支配・抑圧への抵抗」(#RRR が代表)もう一つが「喪失への対処」(#ブラックパンサーワカンダフォーエバー )だったと思いますが、#アバターWoW はその両方を備えていたんですよね。よくできていたのは「抵抗」の方でしたけどね。
2022年12月21日 20:34
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus「喪失への対処」では回帰というか、原始宗教に戻っておりました。あれはいずれVRが発達すれば人間界でも可能になるんでしょうが、「死んだ後も生きていることにする」手段ですね。あの世でも天国でも心の中でも記憶装置でもなんでもいいですが、喪失をなかった事のようにするパターン。
2022年12月21日 20:34
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusそのパターンで喪失を乗り越えさせる宗教は多いですが、そんなの嘘っぱちだと自分で代替物を作っちゃったのが『ピノッキオ』です。一番アヴァンギャルドかもしれない。これも将来クローンが実用化されれば可能になるでしょう。そんな世界を描いていたのが『アフター・ヤン』でした。
2022年12月21日 20:34
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusでも失ったのが唯一無二の存在だったら、そんな誤魔化しはきかない。天国にいる? 輪廻転生する? 今私の側にいないのに、そんなの何の役に立つ? その悲嘆を描ききったのが『ワカンダフォーエバー』でした。できることなんか八つ当たりぐらいしか残ってないのよ。
2022年12月21日 20:34
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusそうすると、結局心の平和は「それに代わる存在」を得ることでしか戻らないわけです。唯一無二の存在とは同じではないけれど、同じように愛せる存在。だから『ワカンダフォーエバー』のラストは私にはとても納得いくものでした。『WoW』ではねえ、もう癒せないのよ。宗教が機能してないから。
2022年12月21日 20:34
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus#トップガンマーヴェリック も実は「喪失への対処」でした。だってずっと引きずってたじゃん、死んだ僚友の事を。彼の息子という「同じように愛せる存在」がいても尚。喪失だけじゃなくそこに罪の意識がからんでいたから殊更に。「赦し」を得ても自分を許せるようになるまでどれだけかかるのかと
2022年12月21日 20:34
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibus長い時間がかかったにしろ、それでも主人公が自分自身をゆるし、喪失を乗り越えることができたから、あの映画はこんなにヒットしたんじゃないでしょうか。なんだろ、『マーヴェリック』を見てねえ、みんながトム・クルーズを許したのよ。オマエ、ずっと我慢してたんだな、いい奴だったんだなって。
2022年12月21日 20:34
クリス・スネイク・プリスケン@paxomnibusそしてたぶん、これが現在もっとも受け入れやすい「喪失への対処」なのでしょう。宗教には頼れない。代替物も作れない。遺影やビデオでは満足できない。でも同じように愛せる者がいて、自分の残りの人生をそれにかけることができれば(自分の方が早く死ぬつもり)、何とか生きていけるだろうと。
2022年12月21日 20:44