4月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2580
ナイス数:32
マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣の感想
神話学というのは、この前に読んだ『ゴシック全書』の様なものなのだなと思った。例えば国も監督も制作年も違う映画をゾンビを扱っているという点だけで「ゾンビ映画」と一括りにしておいてから、その中での共通点にだけ目をやって研究するような。神話って「成立」という言葉を使うように、誰か個人が確たる意志とある哲学の元に物語りなり叙事詩なり書いたわけじゃないのに、なんでそこに共通の思想を探りだそうとするんだろう?それは人類がどこの地域でも似たような歴史を繰り返してるって事に過ぎないのでは? 今もまた同じ事が起きつつある
読了日:04月15日 著者:沖田 瑞穂
[ヴィジュアル版]ゴシック全書の感想
図版は素晴らしいのだが文章が頂けない。気取った文章で一体何を書きたいのか。「ゴシック」と銘打ちつつ、実の所「ホラー」全般に渡る作者の知識のひけらかしである。ホラー映画の名シーンが黎明期から2020年作品まであるのは嬉しいが、各章ごとにバラバラに扱われているのが映画ファンとしては気になる。各映画に関する全体的なテーマではなく、自分の目的に沿った部分のみ抜き出して寄せ集めているからだ。本書を読んで雰囲気には浸れても、ゴシックにもホラーにも詳しくなる事はできそうにない。まあ紹介記事にはなるかもしれないけれどね。
読了日:04月07日 著者:ロジャー・ラックハースト
レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ (TH Literature Series)の感想
もしも私が10代だったら夢中になったであろう魅力的なキャラクターが勢揃い、なんだけど、このトシになるとさすがに無理なのであった。ミステリーというには謎が謎してない感じで弱いのよ。いえ、一応謎解きはあるんだけど、推理小説と呼ぶにはさらっとしすぎてるというか。ヴィクトリア朝の貴族と使用人の世界を詳しく書いてあるのは面白いんだけど、私はファーザーコンプレックスではないのでヒロインの気持ちがまず理解できないのであった。
読了日:04月01日 著者:篠田 真由美