5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1465
ナイス数:32

 

絵を見る技術 名画の構造を読み解く絵を見る技術 名画の構造を読み解く感想
絵画観賞の手ほどきにもってこいの指南書。洋の東西を問わず名画がどうして名画たりえるのかを解説してくれる。その分中世の宗教画等につきものの深い意味等は端折っているが、私なんぞ何回読んでも覚えられないのだから研究者でもない限りは「そこには約束事がある」と知ってるだけでいいのかもしれない。小さい図版でもたくさんの名画が紹介されているので、これ一冊読むだけで結構詳しくなれるかも♪ ここで紹介されている十字線と対角線等の構図の取り方は映画を見る際にも参考になる。特に『RRR』で止めが入ってる際は完全に名画の構図。
読了日:05月28日 著者:秋田麻早子

 


漢字再入門 - 楽しく学ぶために (中公新書)漢字再入門 - 楽しく学ぶために (中公新書)感想
中国で発生した文字が漢、呉、唐の時代に韓国から日本にま伝わったおかげで文書による外交が可能となった。「文」は「単体」で特定の意味を表す事のできる漢字。「字」は文を幾つか組み合わせた「複体」という区別がある。「形声」では大雑把なカテゴリーを意味する「文」と、意味を無視した同音の「文」を合わせて「造字」する。意味を表す「文」を「意符」というが、その置き場はどこでもよかったそう。それで納得したのが中国で音をアルファベット表記する時に【ʃ】を「SH」と書いても「HS」と書いても同じだと言われた事。日本人は混乱する
読了日:05月26日 著者:阿辻 哲次

 


王朝貴族と外交: 国際社会のなかの平安日本 (567) (歴史文化ライブラリー 567)王朝貴族と外交: 国際社会のなかの平安日本 (567) (歴史文化ライブラリー 567)感想
韓国時代劇を見ていると戦を前に「倭国にも助力を求める親書を送った」的な言動が当たり前に出てくるのが不思議だった。日本の歴史ではそんなに活発だった記憶がないので。どうやら「白村江の戦い」は「戦力になる」という記憶を植え付けたものの、倭国には負け戦の教訓にしからなかったせいらしい。中国の儀礼を手本にしてのやりとりもあったが、牒書の書き方返答の仕方、贈答品の呼称や扱い方等煩雑至極で外交もすんなりとはいかない。平安時代になると日本には海外で参戦する必要もないし攻め込まれる恐れもほぼないので傍観を決め込んだらしい
読了日:05月25日 著者:渡邊 誠

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特捜部Q―知りすぎたマルコ― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)特捜部Q―知りすぎたマルコ― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
最初に映画(テレビ放映)で見たのだが、前回までと俳優が全然違ってるしマルコは何にも喋らないしで途中でやめてしまった。本を読んで面白かったら見直そうと思っていたのだが、見直し決定! 映画とは導入部が全然違うけれど、マルコってすごく魅力的なキャラだった。彼が主人公の部分はわくわくしてどんどん読み進める。でも主人公がカールに代わった途端、先を読むのが面倒になって本を置いてしまうのは何故かしら。まあアサドもローセも好きだからいいんだけどさ。
読了日:05月29日 著者:ユッシ エーズラ・オールスン


特捜部Q―知りすぎたマルコ― 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)特捜部Q―知りすぎたマルコ― 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
ようやくわかったことがある。カールの私生活がアホみたいにドタバタだったのは、殺人事件の被害者や加害者達の悲惨で凄絶な人生の描写から離れて多少なりとも笑えるエピソードを提供するためだったのだ(私にはあまり笑えないけれど)。前作で前妻がカールの人生から距離を置いたと思ったら、今度は職場に天敵がふって湧いたのが上巻。カールにも多少の色恋沙汰があっただけマシだった。下巻になるともはやそれどころでもなくなって、彼の抱えているトラウマが実は巨大であることが分かる。それだけに、それが軽くなる可能性があるのは嬉しい。
読了日:05月30日 著者:ユッシ エーズラ・オールスン