2018年11月23日 静岡県立大学短期大学部にて

これからの保育を静岡で考える 主催:静岡保育を学ぶ会

― シンポジウム & 対談 ( 金田利子 と 塩川寿平 ) ―

塩川寿平のレジメ『幼児教育・保育のすべては愛すること』

 

1、初めに : 塩川寿平の幼児教育・保育人生の指針

 

『この道より われを生かす道なし この道を歩く   82歳 武者小路実篤』

 

『僕は定年後こそが、ある意味では人生の本番だと思っているんです。

 

生かされている最後の瞬間まで、 ヒトはだれでも人生の現役です。

 

人生の後半は、自分に与えられた知恵やセンスや体力を、今度は社会にお返ししていく段階です。 100歳 日野原重明』

 

 

2、幾つになっても認められることの嬉しさ! 私は、この11月26日で80歳

 

私は、日本保育学会で『保育環境論』の研究一筋でまいりました。

 

初めて発表したのは1971年です。

そして1974年の島根大学の発表で『倉橋賞』をいただきました。

 

今年の大妻女子大学の発表は『保育環境論(第47回)―認定こども園行移行と幼児教育・保育関連棟増築の取り組み―』です。

 

さて、幾つになっても認められることの嬉しさ! ですが、本日、ご一緒させていただいている金田利子先生から書評をいただいたことです。私の著書『大地保育環境論(フレーベル館)』の書評を日本保育学会会報(第144号)に書いてくださいました。

 

 

3、書評紹介から、『これからの保育を静岡で考える=共感する絆で学び合う』

 

『この本は長年にわたる著者の研究と実践の集大成といえる。

著者の実践の場である野中保育園を訪れると様々な匂いがする。

 

秋にはコスモスや草花や木の実と山羊や犬や小鳥や虫たちの、そしてその中にいる子どもや大人たちの分類不可能な不思議なにおいだ。そこに人が他の生物とともに生きているという、心地よさを感じる。

 

新型の遊具はないが、むしろその前身であった自然のそれらがある

すなわち、低いところから大人の背位まで高くなっていく丸太の棒があり、子どもがぶら下がれる枝の豊かな木々がある。

 

塩川さんは、子どもは管理されるのみでなく、さりとて全く大人からは見えなくもない、半管理空間の大切さを早くから主張し、園舎もそういうところが沢山ある設計をし、「名のない遊び」が発展するように試みてきた。

 

本書にはそうした取り組みのプロセスと成果が盛り込まれている。

 

都会の園に自然をどう取り入れるかのヒントもたくさん詰まっている。

金田利子(白梅学園大学) 』・・・ここに子どもの幸せを第一に考え! 共に保育研究の道を歩み、認め合える『静岡保育を学ぶ会の同志』がいると言うことは本当に強い絆です。

 

4、保育実践も研究も1人ではできません。保育を学ぶ仲間との絆が大切!

保育の質の機会均等を担保することを「幼児教育無償化(2019.10.1実施)に期待して」、対象18種類のすべての施設は連携し共に学ぶ絆を! これからの最重要かつ緊急課題として構築しましょう。   

 

*認可施設(①幼稚園 ②保育所 ③認定こども園 

④ A型小規模保育所 ⑤B型小規模保育所)等。

 

**認可外施設

(⑥家庭的保育所 ⑦居宅訪問型保育 ⑧事業所内保育所 

⑨企業主導型保育所 ⑩幼稚園の預かり保育所 

⑪地方自治体独自の認証保育所 ⑫ ベビーホテル 

⑬ベビーシッター ⑭認可外事業所内保育所 

⑮子ども・子育て支援法に基づく一時預かり事業所 

⑯病児保育事業所 ⑰ファミリー・サポート・センター 

⑱就学前の障害児の発達支援=いわゆる障害児通園施設)等。

 

以上、現在ある18種類の幼児教育無償化対象施設の保育の質には大きな格差があります。 

 

保育の質の格差については、国の監査基準に引き上げる期間として、「 5年間の猶予」の条件が付いておりますので、18種類の施設に従事するすべての保育者は連携して共に学ぶ機会を新たに構築し、『保育の質の格差是正』を最重要かつ緊急課題として強い絆で結び合いましょう。

 


 


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塩川 寿平(1938年生まれ)


   大地教育研究所所長
   大中里こども園名誉園長
   元静岡県立大学教授


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活動:こども環境学会アドバイザー
    愛育心理研究所インストラクター

著書:「名のない遊び」「コーナーのないコーナーの保育」 
    「どろんこ保育」「大地保育環境論」等   
(出版社 フレーベル館=電子書籍化も有ります)

 

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    ジュッペちゃんの保育のこころ
子どもを大切にするということは人としてであって、
私たちの"大地保育"は大人も童心人となって、
子どもと共に独立国(子どもの園)を創造するということ
ではないかと思います。 
いつでも・どこでも・いつまでも子ども心を忘れずに
『名のない遊び』等を大切にしたいと思います。

 

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