(photo :2006.12)
連載_幼児教育無償化の明日を思う_vol.6
(全7章)
6、無償化の経過と意義
幼児教育無償化の経過は、平成29年12月9日閣議決定「新しい経済政策パッケージ」、および平成30年6月15日閣議決定「経済財政運営と改革の基本方針2018 」を踏まえて、具体的な制度設計と法制化が進められました。
幼児教育無償化の意義は、 20代や30代の若い世代が理想の子ども数を持たない理由は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最大の理由となっております。
したがって、幼児教育の無償化をはじめとする負担軽減措置を講じる事は、重要な少子化対策となります。そして何よりも、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うもので、子どもたちに質の高い幼児教育の機会を保障することは極めて重要な意義があります。
イギリス、フランス、韓国では、幼児教育の重要性を踏まえ無償化の取り組みを進めています。
文部科学省調べによると、イギリスでは、 2004年までにすべての3歳~4歳児(5歳児からは義務教育)に対する幼児教育の無償化を実現。
フランスでは、3~5歳児を対象とした幼稚園は99%が公立であり、無償。3歳以上のほぼ全員が幼稚園に在籍。韓国では、 2012年に3歳~5歳児に対する幼児教育の無償化の方針を法定。
2013年に公立については無償化を達成。私立については支援希望を段階的に拡大し、無償化を目指している。
以上の状況ですが、平成31年1月27日来日した韓国の白仙姫(ベクゾンヒ)国立育児政策研究所長の東洋大学での講演(朝日新聞2月15日記事)の現状報告によると、『利用者の急増』『必要な質の保証ができていない状態』『 7%しかない国公立保育所の増設を』等の問題が伝えられています。
しかしながら『無償化で、所得が低くても利用できる人が以前より増えたのも事実』と一定の効果も報告されています。
つづく
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今回の記事は、2019.2-3月、岳南朝日新聞に連載されました。
テーマ寄稿「教育」=『幼児教育無償化の明日を思う』
塩川寿平(元静岡県立大学教授・大中里こども園名誉園長・富士宮市野中東町在住)
(岳南朝日新聞の第1回目の掲載日:平成31年2月28日)
内容:①富士宮市議会11月定例会 ②毎年1兆円を使うことになる
③幼児教育無償化の源流
(岳南朝日新聞の第2回目の掲載日:平成31年3月2日)
内容:④首相の施政方針演説 ⑤施政方針演説と私
(岳南朝日新聞の第3回目の掲載日:平成31年3月3日〈完〉)
内容:⑥無償化の経緯と意義 ⑦まとめ・無償化の責任について