37話:植木が大きくなりすぎて困ったお話

- 日頃の剪定が欠かせませんね -


(写真1)をご覧ください。






じゅっぺちゃんのお家は江戸時代の庄屋さんで広い屋敷がありました。

広い屋敷の中にじゅっぺちゃんのお父さんとお母さんが1953(昭和28)年に野中保育園(現野中こども園)を作りました。

来年の2022年には創立70周年を迎えます。

以来、自然環境豊かな保育園作りの努力をしてきました。

じゅっぺちゃんの著書『大地保育環境論(フレーベル館)』です。

幼稚園教育要領の「環境による教育」ですね。

豊かな自然環境のもとで子どもたちをのびのび育てたい。


自然から学ぶのです。

『子どもらが自然環境に自ら興味を持って、

主体的に・自発的に挑戦する「遊びと生活」を通して、

「自ら個性と能力」を育てていく「子育ち」保育です。』


「子育ち」とは、子どもが自ら主体的に育ちゆく保育のことです。

ちょっと脱線しますが「子育て」という言葉もあります。

この言葉は大人が発達を配慮して子どもを育てると言う言葉です。

もちろん両方とも必要な言葉です。

「ち」と「て」の違いですが味わってくださいね。

では、話を元に戻しましょう。


野中保育園は創立以来70年の歴史の中で、

自然をいっぱい子どもたちに残してあげましょうと、せっせと木を植えてきました。保護者のみなさんと職員


保護者のみなさんと職員のみなさんが大地保育の夢を語り合いながら。

『桜の園(その)』にしましょうと桜を沢山植えました。

松ぼっくりは教材になるからと松を植えました。

イチョウの木は銀杏が取れるし。

金木犀は匂いがとてもいいし、園児たちに季節を教えてくれるからと。

それから、あっという間に70年もの歳月が過ぎていました。

そしたら、いつの間にやらすっかり森になりました。

鬱蒼(ウッソウ)とした森が出来上がり、

素晴らしい自然環境豊かなこども園になりました。


じゅっぺちゃんも驚いています。

しかし喜んでばかりはいられません。

場所によっては大きくなりすぎて困るのです。


ご覧ください。

左側がじゅっぺちゃんの自宅で、

中央の道と右側がこども園に通じる公道ですが、園舎が見えていたのに見えなくなりました。


松も巨木に育ち公道に倒れかかってきています。

松や槙や檜も大きく育ちすぎて石垣を壊し始めました。

桜の木も50年余も経つと大きくなって道を塞ぎ始めました。


(写真2)をご覧ください。





じゅっぺちゃんは現在82歳ですが、

結婚して父親になった30代前後の頃4人の娘に恵まれました。

じゅっぺちゃんは子どもが生まれるたびに、

記念樹をいろいろ選んで広い園庭のあちこちに植えました。

その娘たちが今4050代です。

記念樹も4050年経ってものすごい大きな森になっています。


でも場所によっては困るのです。

台風が来ればひっくり返って危険極まりないのです。

じゅっぺちゃんは新しいチェーンソーを買ってきて切ることにしました。


新しいチェーンソーはものすごく切れるのでとても軽快でした。

しかしながらそうは言いつつもやはり木を切る事は悲しい事だし、チェーンソーは危険であることに変わりはないので、


木の神様に手を合わせて感謝し、祈り、赦しを乞い、

「コワイ コワイ」と思いながら切りました。


切った木が山のようです。

2トントラックで10回ほど運んでもらいました。

もちろん適切な場所に植えられた木々はたくさん残しています。


(写真4)の奥の方の深い森は10メートル余の高さもあるメタセコイヤの巨木(写真8)を中心に深い森の遊び場になっています。↓






野中こども園は江戸時代の庄屋の土地ですからものすごく広いのです。


(写真3)をご覧ください。



すっかり綺麗になってこども園の園舎もよく見えます。

日当たりも良くなって快適な通園路になりました。

広くなったのでかけっこしたり、 3輪車でかけ抜けたり、園児もたちもこの道でよく遊びます。


(写真4)をご覧ください。


周りの木々が大きくなりすぎて、遊具の消防自動車も半分しか見えません。

100年以上も経った大木だった渋柿の木も虫が入って枯れ始めました。


(写真5)をご覧ください。





じゅっぺちゃんが小さいときにすでに大木でした。

ですから100年を遥かに過ぎた渋柿の古木です。

ヨツミゾと言う名前の柿で、さわして食べたり、干し柿にしたり、完熟すれば渋みは抜けて超々甘くなってほっぺたが落ちそうに美味しい柿です。


じゅっぺちゃんが小学生の時にも、中学生の時にも、高校生の時にも登った、懐かしい柿の木ですが枯れてしまった部分を切ることにしました。

老いると言う事はとても悲しいですね。


(写真6)をご覧ください。



じゅっぺちゃんは虫食いだらけで、腐ってしまったところを全部剥ぎ取って再生手術を施しました。

思いでいっぱいの柿の木ですから、まだまだ生き続けて欲しい願いを込めて手当てをしました。


上のほうは切ってしまいました。

しかし腐った部分は削って、もう一方の片側の皮は元気な若い芽を出しています。

古木よ! よみがえれ! 元気になぁーれ!


(写真7)をご覧ください。



塩川家の屋敷の中の檜ですが大きくなりすぎて電線に引っかかってしまって、とても危険な状態だったので切りました。

危険になるほど大きくしてまう前に剪定すべきだったと反省しています。


チェーンソーをもっての大奮闘のじゅっぺちゃんの1週間でした。


樹木は大きくなりすぎると素人では手に負えなくなります。

日頃、少しずつでも剪定するメンテナンスが欠かせません。

樹木の成長は意外に早いので気を付けましょう。

きれいな庭になり、子どもの通園路も広くなり、安心安全のこども園になりました。