47話:敗戦と引揚とわが人生の始まりの俳句







夏の雲 引揚船の 父(チチ)母(ハハ)と







じゅっぺちゃんの人生の

ファーストステージは「78ヶ月まで満州生まれの満州育ち」です。

セカンドステージは「敗戦と引揚と日本の生活」です。




2021年の夏の俳句。



『夏の雲 引揚船の (チチ)母(ハハ)と』


 じゅっぺちゃん



昭和20815日の敗戦。

そして満州難民。

何しろじゅっぺちゃんは78ヶ月でした(昭和217月の引揚げ時の年齢)。


「大地の子」の陸一心は昭和13年生まれ。じゅっぺちゃんと同年齢。

「大地の子」の妹あつ子は昭和16年生まれ。じゅっぺちゃんの妹と同年齢。

「大地の子」と同じように、じゅっぺちゃんも残留孤児になるか、

死ぬ可能性が高かったのです。

逃避行の途中で迷子になったり、

さらわれて、売られてしまったりするからです。

とにかく日本にたどり着くまで毎日が不安で、

恐怖の連続だったことを思い出します。


逃避行と小さな引揚者のじゅっぺちゃん。

父母の服のどこかを握っていなければ安心できませんでした。

父母にまとわりつき、

しがみついて不安な毎日を過ごしながら帰ってきたのです。


父母から離れてしまったら命はなかったと思います。

『迷子になったらさらわれるよ!』と、

何回も大人たちから言い聞かされていたので、

集団から置いて行かれたり、

迷子になったら大変だといつも怖い思いで、

必死に父母のあとを追い、くっついて行きました。


実際、

逃避行の途中で消えた子どももいるのです。

『夏の雲』の句は、

父母と共にやっとのことで引揚船に乗れて、

舞鶴港に着いて安堵したときに見た日本の『夏の雲』です。


さて、

日本の敗戦の日から今年は76年目。

じゅっぺちゃんも82歳となりました。

日々俳句を作り、

平和のありがたさを噛みしめています。











「大地の子」とは?↓


https://www2.nhk.or.jp/archives/search/special/detail/?d=drama006