第59話:野中保育園創立70周年 初心に還って(創立1953~2022)
—(その3)『私の大地保育』塩川豊子著(大地教育研究所1988発行)—
大地保育と表現教育(第26回発表会 園長 塩川豊子のお話)
《 何でも自分で》
人間が何を考え何を思っても、
それを外へ現さなければ、
人間の営みには関わりがありません。
自分の考えは言わないこと、
それが美徳であったとき、
子どもの不幸が始まりました。
私たちの子どもは、
自分で考えたこと、感じたことを、
自分のことばで言い、からだで表し、
自分のリズムで歌う。
そんな子どもに育てたいと思います。
人まねお遊戯からの脱皮を目指して今、
大人に出来ないことで、子どもになら出来ることを、
沢山発見しました。
絵を描くこと。
ものを作ること。
うたをうたうこと。
お話を作ること。
それが自然の美しさ尊さの中から生まれるとしたら、
この「大地保育」を守るために、
保育者は心を新たにしなくてはなりません。
(発表会 1977年12月3日 園長塩川豊子)
以下のスナップ写真は、 2021(令和3)年12月4日に行われた大中里こども園の発表会の写真です。
【写真の解説】・・・ブログ58話にも載せましたけども改めて
今回も【大中里こども園 令和3年度 京極桃子園長のお話】を載せます。
豊子さんの教えを大中里こども園で今でも守って保育して
いることを伝えたいのです。
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大中里保育園(現:大中里こども園 社会福祉法人柿ノ木会 幼保連携型認定こども園)は、同法人『大地保育』の野中保育園の姉妹園として2006(平成18)年に開園、初代園長塩川寿平(2006〜2012)・2代園長塩川恵美子(2013〜2019)・ 3代園長京極桃子(2020〜)と歴史を積み重ねております。
保育理念は大自然から学び自由でのびのびとした保育の創始者塩川寿介・塩川豊子夫妻の保育哲学《大地保育》を大切に継承して、日々質の高い保育に取り組んでいます。
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(写真:京極桃子園長)
【大中里こども園 令和3年度 京極桃子園長のお話】
「はっぴょうかい」その言葉を聞いただけで子どもたちの目が輝きます。劇ごっこの楽しさを知っているからでしょう。
舞台に立ち、お家の方に見てもらうことも頭に浮かぶのでしょう。
大中里こども園では生活発表会といって、普段の園での日常生活の中で行われているわらべうたや表現遊びの中から、またそこから話を膨らませて発表会をしています。
わらべうたは0歳児の時から大好きな大人の優しい声で歌ってもらい、心地よかったり楽しかったり身近にあります。
わらべうたを歌うと泣き止むのはそのためでしょうか。
年齢が上がるとわらべうたを自分たちで歌って遊ぶようになります。そこにはルールがあり、友達関係もあります。
劇ごっこは子どもの遊びを見ているとその断片があちこちにあるように思います。
笑って、歌って、踊って、泣いて、怒って・・・走って、ジャンプして・・・どれも日常の
子どもの姿。いろんな表現をしています。
幼児になると物語の中に入って空想が広がっていきます。
しかし、昨年今年と新型コロナウィルス感染症と言う今まで経験したことのない病気の広まりから、行動の制限がありマスクをすることが当たり前になりました。
マスクをして話しかけたり笑っても、それが自分に向いているのかわからないことがあります。
表情豊かに表現豊かに育てる子育てにはどうなのだろうと思ったりしています。
そんな毎日ですがコロナ感染対策をしながら、園にいる間はなるべく子どもらしい生活をさせてあげたいと言う願を私たちは持ち、子どもたちの創造性や発想や想像力を大切にしながらその年齢に応じた働きかけや見守りをし、共に楽しみに感動を感じて過ごそうと思って過ごしてきました。