第61話:野中保育園創立70周年 初心に還って(創立1953~2022)
—(その5)『私の大地保育』塩川豊子著(大地教育研究所1988発行)—
大地保育と表現教育(第30回発表会 園長 塩川豊子のお話)
《 認めてください 》
子どもたちは、自分を認めて欲しいと、いつも心の中で、思っています。
ところが、大人たちは、いつも、いつも、認めるのを、あとまわしにしたり、出し惜しみしています。
子育てのテクニックとして、私共は、子どもが喜び、それにつれて、大人も、ふっと日常性になっている「いそがしい」を忘れて、共に生きていることを感じられるようなチャンスを作ります。
「保育の山」行事がそれです。
子どもが、自分の心、本心、無意識を表すのが「子どもの絵」だと、かねがねお話してきました。
もう一つ、子どもは体を使って表すことをします。それがこの「発表会」です。
毎日のあそびの中で、子どもの会話は、次から次へ広げられていって「ドラマ」そのものです。
でも、それをそのまま、舞台に載せるわけにはいきません。
わらべうた、マザーグースのうた、リズム合奏、おどり、劇づくり等は、絵の様に無意識の心が表現するのではなく、もう一つ、保育者が聞きまとめ、進めることになります。
が、子どもの手作りの劇は、観ていてすぐわかるというわけにはゆきません。
当日、どんな風に展開されるか、保育者たちも案じつつ、日を送っております。
乳幼児期に一番大切な事は、理屈ではなく、情緒の安定と感情豊かに育てることです。
いやなことはいや、うれしい時はうれしい、おかしいことはおかしいと、いえるように。
11月になっても太陽がでれば寒さ暑さを自分でコントロールしてプールに入る。
あのエネルギーは大人にはとっくに失われたものです。
この数日、大きな政変がありました。
天下国家の政治といえども、
おかしなことは、おかしいと思える、
自分の感情を大切にしないと、
大事な大事な、あなたの子どもの、
未来は暗くなります。
(第71代の内閣が発表された日)
《発表会 1982年12月4日 園長 塩川豊子》
大中里こども園では、就業規則に明記されているように、大地保育創始者の塩川豊子の保育理念を職員はよく学び、大地保育の理論と実践を継承して、2006年の創立以来今年で16年目を迎えます。
以下に掲載する発表会のスナップ写真は、2021年(令和3年)12月4日に行われた。大中里こども園の発表会の園児たちの創作による劇遊びの続きです。