第64話:コロナ禍中の小学校先生からのお便り

―小学校先生(=教え子iさん)とじゅっぺ教授の交流―

 

《今回の交流コラボのブログが生まれたいきさつ》

教え子iさんからのお手紙。(以後、[iさん]とのみ記す)

 

2年余も続く新型コロナウィルス感染症禍中のiさんからの近況報告は、

小学校の教育状況が手に取るように分かってありがたく思いました。

じゅっぺ教授は今までコロナと保育の状況を伝えてきましたが、

今回iさんのお手紙を得て保育・教育の現場をリアルに伝えたい。

後世に『国難のコロナ時代の保育・教育の歴史』として記録したいと思いました。

 

というわけで、

じゅっぺ教授とiさんのコラボ《交流共同制作ブログ》です。

ブログ掲載についてはiさんから承諾をいただいています。

 

《iさんからのお便り》

 じゅっぺ教授いつも丁寧な保育の近況をありがとうございます。

早速、2022年2月現在の小学校の教育状況をお手紙いたします。

 

  1. 私が勤務する小学校は児童数260名。

 1月よりコロナ陽性児童は20名以上。2月になり教職員も2名感染しました。

それでも学級閉鎖も学校閉鎖もありません。

健康対策の要である保健室の先生が陽性のため3週間お休み。専科の先生も陽性となりお休み。それでも学校は休校となりません。

 

  1. 少し前まではクラスで2人以上の陽性が出たら。

学級閉鎖と言うガイドラインがあったのですが今はなくなりました。

文科省はどう言っているのか? 現場の校長先生の判断と言っていますが。

教育委員会とはどうなってるのか?  

3週間前までは私のところにも教育委員会からのメールで「コロナ陽性の児童と

教職員280名。皆さんしっかり感染対策をとって教育活動に従事してください」と。

 それ以後、こうしたメールの配信はなくなりました。

相当増えているらしい噂が流れるのでみんな不安な気持ちでいます。

 

  1. 3学期、音楽もマスク着用。

この寒い中、校庭で震えながら、 3メートル離れて合唱。

飛沫が飛ばない距離を保って、安全・安心の配慮を充分しながら歌います。

リコーダーの演奏はもちろんマスクを外して吹いています。

今現在の新型コロナウィルス蔓延中の授業風景です。

・・・・・と言うわけで音楽の授業も様変わりしています。

 

  1. 保護者は仕事を休めない。

だから教育委員会や学校に「休みにするな」と言う要望が多い。

先生方は大変です。残って机や椅子の消毒。

期限付き任用採用者の先生も保健室で手当てをしたり、

ケガや心身の悩みの訴えに対応。

学習の遅れている生徒には算数や国語も教えています。

 

生徒がちょっと熱が出ると担任は職員室に入り保護者に連絡。

繋がらないとまた繰り返します。

『卒業生を送る会』など学校行事の数々もコロナ感染症予防のために大幅な変更。その度に調整のために先生方は職員会議の連続です。

多くの教職員は残業 残業 残業です。

 

  1. 私もクタクタ。夜は9時半には寝ています。

 中休み・昼休みに授業に入れない生徒と鬼ごっこの毎日です。

疲れて追いかけられない日には「先生つまんない」、

「しっかり走って追いかけてくれないとつまんない」と生徒に怒られる。

そこは生徒にしっかりと見られている。

生徒と先生の関係性ができたということでもあります。

 

  1. 今日の総合学習は2分の1成人式。

4年生は3月に全員10歳になる。コロナの今後の感染状況によりますが、

3月には体育館で校長先生より『 2分の1成人の証書』をもらいます。

今日の総合学習の時間には、「生まれた時」~「幼児期」~そして「 20歳の頃」~その先の自分の夢はどうなっているか写真を貼ったりして、

生徒一人一人がオリジナルカードを作りました。

 

クラスでの作品発表会には保護者も来ます。

一人一人が将来に向けて決意を述べます。

 

圧倒的多数の生徒が『お金持ちになりたい』と答えました。

先生が『どうして?』と問いかけると。

 

生徒たち:『だって好きなゲームソフト買える』『マンションに住める』

『大きな家を買いたい』『お金ないとおいしいもの食べられない』云々。

 

先生:『もっと他の夢とかないの?』『総理大臣になりたい』とか?

『お医者さんになりたい』とか?

 

生徒たち:『そんな大変なのいいです。いやです』『 ユーチュバーならいい』

『サッカー選手になりたい』・・・そうした発言があり、今どきを感じました。

 

 相変わらず給食は黙食。

情報の先生もベネッセから派遣されているアルバイト先生。

教職員の約40%がアルバイト先生と言う学校もあります。

 

学校生活は大きく変わりました。

将来《コロナ世代》という大人が生まれますね。

 

  1. 昨日は嬉しい「丁寧な職員会議」をしました。

延期を繰り返した見学の授業が校長先生の判断で実施されることになりまた。

「プラネタリウム見学」と「河川の洪水調整施設」のバス見学です。

 もちろんバス車内でのおしゃべりはなし。お弁当は屋外で食べます。

でも雨だとバスの中の黙食(そうは言っても話す子がいるかも)です。

 

理科の星座の勉強でプラネタリウムに出かけます。

社会科の河川治水の勉強で洪水調整施設に出かけます。

 

教育方針でリスクがあっても実施させたいと判断する校長先生もいますし、

コロナ予防の安全面から実施しない校長先生もいます。

最近の文科省や教育委員会は『コロナの状況を見ながらの判断』を、

教育現場をあずかる校長先生の判断に任せることが多くなりました。

わが校ではバスで出かける見学を実施します。

そして校長先生も引率者に入ります。

コロナの情勢を見ながら『今』と言う判断ができる校長先生を尊敬します。

 

➇毎日、通勤電車に乗りながら。

 通勤客はみんなスマホを見ている。スマホでゲームしている。新聞を読まない。

小さな幸せがゲームかな? 大人たちも変化しましたね。

 

じゅっぺ教授が少し前に指摘した、

「考えない」「現状維持」「棄権する」等々の衆議院選挙の無力感。

 

また、5歳と3歳と0歳の姉妹を殺した27歳のお母さんの事件。

こんな大事件だから予兆があったはず。

となり近所やコミュニティがこの予兆を見逃してしまったことに憤慨してましたね。

私もじゅっぺ教授と全く同じです。

 

⑨じゅっぺ教授と塩川ゼミナールで、

自由に議論できた雰囲気は私たちにとって『宝』です。

 

じゅっぺ教授の良さは一杯あるけれども、

いつまでも《理想》を大事にしていること。

私も負けないようにもう少し《理想》で生徒と関わっていきたい。

自由な柔軟な見方ができる子どもを育てていきたい。

 

⑩ むすびに:

新型コロナウィルス感染症が終焉したらまたみんなで会いましょう。

塩川ゼミナールOB OG会でおしゃべりしたり、飲んだり、歌ったりしたいです。  

では皆さん お元気でね!!  じゅっぺ教授の教え子iより

 

 

 

 

 【写真の説明】
淑徳大学塩川ゼミナールOB OG会による
《じゅっぺちゃんの傘寿のお祝いの会》
この教え子さんとじゅっぺちゃんの交流写真は、
 新型コロナウィルス感染症が流行する前の
  2019年8月25日のものです。