―発達過程に見る多様化する人格複合形成に関する一考察―
①退任特別最終講義の図表1を見てください。
図表1:人称人格構造論
ー発達過程に見る多様化する人格複合形成に関する一考察ー
民主主義社会の建設の担い手としての自由人育成のための教育論の試み。
自由人の姿とは、成人(18歳: 2022年4月1日より実施)するまでに、
1人称+2人称+3人称のバランスの取れる社会人に育てること。
1人称3分の1=・自己愛・自己中心性など・・・『私は私が大切!』『私ファースト!』
2人称3分の1=・家族愛・夫婦愛・兄弟姉妹愛・友情(友達愛)など・・・『私よりあなたが大切!』
3人称3分の1=・人類愛・祖国愛・企業愛・母校愛・チーム愛など・・・『組織が大切!』『犠打(野球のバンド)精神!』
②人称人格構造論の解説
【その1】 成人するまでに、 1人称人格+ 2人称人格+ 3人称人格のバランスの取れる社会人に育てること。
(注: 成人年齢は20歳から18歳に改正。2018年6月に改正民法。2022年4月1日より実施。)
【その2】人間教育の理想像とする『自由で個性的な成人』とは、
・1人称人格の愛 ・2人称人格の愛 ・3人称人格の愛の、3つの愛のそれぞれの強弱があっても、『バランスのとれた健全な範囲』において自己決定できる大人を言う。
【その3】・1人称人格の愛 ・2人称人格の愛 ・3人称人格の愛をそれぞれが、極論的に主張すれば相互理解は不可能となり破局する。
しかしながら『どの愛も必要である』ので調和的に承認することが肝心である。
【その4】自由人とは、本人自身と、家族や友人と、集団や組織と矛盾することなく、3つの愛のバランスを自己決定し、健全な生活を維持しようと努力する人である。
【その5】乳幼児期は、1人称人格が強く「自分で・・・・・」とか「ボクが・・・・・」と、自己中心的な発想や行動をとるので、本人自身にとって発達過程からみて無理と思われる2人称人格や3人称人格の行為は、周りの大人が補助自我となってお世話する必要がある。
乳幼児期の欠落している人格の部分は、大人が補いながら時間をかけて、発達過程を見極めながら子育てを心がけることが大切である。
【その6】成人の場合。
「年間の 3分の1日づつ」の時間的バランスの取り方について。
1年間の時間は約365日×24時間=約8,760時間です。
1人称人格に使う時間=約2,920時間です。
・・・私のために使う時間です。
2人称人格に使う時間=約2,920時間です。
・・・家族・友人と過ごす時間です。
3人称人格に使う時間=約2,920時間です。
・・・組織のために使う時間・法定労働時間等です。
これは人称人格構造論の標準的人間の1年間の時間の使い方のバランスです。
これに『個性と言う概念』を加えると、
1人称人格に時間を多く使う人は・・・芸術家・職人タイプです。例えば画家ゴッホや陶芸家などです。
2人称人格に時間を多く使う人は・・・家族主義タイプです。例えば家族愛や友情の強い人です。
3人称人格に時間を多く使う人は・・・組織重視タイプです。例えば政治家・会社人間・ボランティア活動家です。
ブログ第72話:「人生の10ステージ」の役割により、タイプはステージにより色々と変わりますが、皆さんそれぞれに、一生涯の時間のバランスの取り方を個性豊かに考えましょう。
③【写真1・2・3】をご覧ください。
29年目の退任特別最終講義をするじゅっぺ教授と、受講する富士市立看護専門学校の第29期生。
④【写真4・5・6・7】をご覧ください。
最後の出会いとなった第29期生から感謝の花束を受けるじゅっぺ教授と心配そうに見守る奥さん
⑤【写真8・9】をご覧ください。
創立1993年の第1期生から第29期生の29年間で、教え子1000余名との
『精神保健の単元:ライフサイクルにおける心の発達と関連問題』
の学びがありました。
そして5月26日、退任特別最終講義を終えて、自宅でくつろぐ83歳のじゅっぺ教授と頂いたお花。
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第75話「表出と表現について」に続きます。