累計発行部数570万部を突破した河原和音による伝説の少女コミックを実写映画化した『先生! 、、、好きになってもいいですか?』は、先生と生徒の切ない純愛を描いたラブストーリー。
本作で、世界史の教師・伊藤(生田斗真)に恋する高校生・響(広瀬すず)のクラスメイトでありながら、同じように教師の中島(比嘉愛未)に思いを寄せる男子高校生・浩介を演じているのが俳優の竜星涼。イケメンで高身長ながらひたむきに思いを伝え続ける浩介という人物への思い、生田斗真との共演、そして自身の恋愛観について話を聞いてきた。
■『先生!〜』は、ピュアな気持ちを思い出させてくれる作品
ーー『先生! 、、、好きになってもいいですか?』は、河原和音氏の人気少女コミックを実写映画化した作品です。まずは、作品の世界観についての印象を教えてください。
竜星:恋をしたくなるというか、恋っていいなと思わせてくれる作品だなと感じました。響や浩介の素直で真っ直ぐ、周りのことをあれこれ考えずに気持ちを伝えることができるピュアさ。それは高校生ならではかもしれませんが、恋愛って本来はこうやってするものだよなあと、大人たちにも思い出させてくれるんじゃないかなと思います。
(C)2017 映画「先生!」製作委員会
ーー本作のテーマとなるのが"先生と生徒の恋愛"。大人として生徒を適度にあしらう先生たち、「子ども扱いしないで」とまっすぐに思いをぶつける生徒たち、どちらの言うことも間違っていないと思うのですが、竜星さんはどのような視点でこの作品を受け止めましたか?
竜星:僕は生徒役を演じたこともあって、生徒目線で観ちゃいました。クライマックスで浩介が伊藤に対して気持ちをぶつける場面は、「人として一番そこが大事なんじゃないのか?」と喝を入れている気がして、観ていても「よくやった!」と爽快感がありましたね(笑)。
ーーしかし、一大人として「気持ちだけでは動けない」という伊藤の気持ちも分からなくはないですよね。
竜星:そうですね。本当に恋愛ってタイミングだと思うんです。この映画で言えば、先生と生徒で出会ったがためにこういうドラマが生まれたと思うんですけど、そうじゃなければすんなりと恋愛ができていたのかもしれない。どちらが正しいとか正しくないとは言えない…本当に難しいものですよね。
■生田斗真は「良い人すぎて、怖い(笑)」
ーー竜星さんは、浩介をどのような人物だと捉えて演じられましたか?
竜星:原作を読んでいても思ったのですが、浩介は“男が惚れる男”。不器用だけれど自分のことを客観的に観ている部分があったり、その中にも純粋さを持っているやつなんです。
(C)2017 映画「先生!」製作委員会
ーー確かに、まっすぐに中島先生(比嘉愛未)に気持ちを伝えている中に、一歩引いてものごとを考えているような印象があります。
竜星:浩介の俯瞰でものを見ているところは、伊藤に向かって突き進む響との良いバランスになればいいなと思って演じていました。響を応援しながらも、響がうまくいくことによって浩介自身が希望を持てるというか。きっと浩介は響に自分を投影している部分があるんでしょうね。
ーーなるほど。初めての三木組だったかと思うのですが、現場はいかがでしたか?
竜星:三木監督は撮影に入る前に、全キャストに、役に対しての自分の考えをまとめた手紙や、作品自体のイメージソングを何曲か入れたCDを渡してくださったんです。撮影中も三木監督自身が常にわくわく、どきどき、きゅんきゅんしながら撮っているのが伝わってきて、現場がものすごく温かい。とても愛情がある素敵な方だなと思いました。
ーー監督がムードメーカーでもある良い現場だったのですね。響役の広瀬さんと恵役の森川(葵)さんとのやりとりもすごく自然だったのですが、現場でも変わらず和気あいあいとした雰囲気で?
竜星:そうですね。葵ちゃんとは共演したことがあるんですけど、すずちゃんは今回が初共演で。でもすぐに仲良くなれました。
ーー仲良くなったきっかけは何だったのでしょう?
竜星:3人の雰囲気を作ってくれたのは弓道だったのかなと思います。今回、作品に入る前にみんなで集まって弓道練習をしたんです。僕も運動はする方なので、どんなものかと思っていたら、けっこう難しくて…みんなヒイヒイ言いながらやっていました。今のは的に当たったけれど、なぜ当たったのかがわかってない、みたいな(笑)。本当の部活の仲間のように、「出来た」「出来ない」と一緒に喜んだり、悔しがったりできたことが、まさにあの3人の空気感に繋がったんだと思います。
(C)2017 映画「先生!」製作委員会
ーー伊藤先生を演じられた生田斗真さんとの共演はいかがでしたか?
竜星:生田さんの弟さんの名前が僕の名字と同じ「りゅうせい」(竜聖)ということもあって、僕としては勝手に親近感が湧いていました(笑)。テレビなどでずっと見てきた先輩でもあるんですけど、誰に対してもすごく気さくで、ナチュラルで、笑顔で接してくださって……良い人すぎて怖い(笑)。それくらい素敵な方でした。
ーー生田さんとは殴りかかっていくようなシーンなどもありましたが、そこのやりとりについて2人でお話はされたんですか?
竜星:芝居自体の話は特にしませんでした。生田さんが、僕がやったことをその場で素直に受け止めてくださって。僕にとって、やりやすい環境を作ってくださったという感じです。
ーーそうだったのですね。とても堂々としていて、ナチュラルに演じているように見えたので、かなり話し合われたのかと思いました。
竜星:そう言っていただけるのは嬉しいです。あのシーンは、「浩介の役をやりたい」と思う一番の決め手になったほど僕自身も好きなシーンでもあったので、気合いが入っていたんだと思います。観てくださる方や、世間に対しても伝えたい気持ちが強かったので、それがより、表現として強く出た部分なのかなとも思いますね。
■ロマンを追い続ける!気になる恋愛観とは
ーー劇中では浩介は中島先生のような大人の女性に惹かれていますが、竜星さん自身は学生の頃、年上の女性に憧れたことはありますか?
竜星:はい。やっぱり年上の方に対しての憧れみたいなものはありました。学生の頃は、僕は年下の相手というのはあまり考えられなかったですね(笑)。
ーー成長してその恋愛観や好みのタイプは変わりましたか?
竜星:年上の方とお付き合いしたら、自分の知らないことを教えてくれて楽しめたり、いろいろな経験をさせてもらえる。逆に年下の方の場合はきっと、その人がやったことのないことをこっちがリードしてあげて、そのリアクションとかが新しくて楽しいんだろうなと思うので、今は年上、年下、どっちにも面白い要素があるのかなと感じています。結局はフィーリングですけどね(笑)!
ーー(笑)。ちなみに竜星さんが女性にキュンとする瞬間というのは?
竜星:不意な感じが一番キュンとするんですよね、笑顔でもなんでも。意識してないけど「目が合っちゃった!」とか。目が合うってことは、結局意識してるってことだと思うんですけど(笑)。
ーー恋愛における理想などはありますか?
竜星:うーん…電車とか街中で、他人同士がパッと惹かれ合って、運命を感じるみたいなドラマチックな出会いとかは理想的ですよね(笑)。そこから意気投合して結婚したら、運命って本当にあるんだなって気がしますし。僕の周りでも、運命的な出会いをしている人がいるので、そういうのには憧れます。
ーーロマンチックなシチュエーションがお好きなんですね(笑)!
竜星:いや、そうですよ!偶然がいいんですよ!作られたことなんて嫌です。僕はロマンを追い続けます(笑)。
Photography=Mayuko Yamaguchi
Interview=Ameba
【作品情報】
<STORY>
初めて好きになった人は、好きになっちゃいけない人
高校2年生の響は、ちょっと不器用でまだ恋を知らない17歳。
原作:河原和音『先生!』(集英社文庫コミック版) (※1996年~2003年)
主題歌:スピッツ「歌ウサギ」(ユニバーサルJ)
監督:三木孝浩
脚本:岡田麿里
出演:生田斗真 広瀬すず 竜星涼 森川葵 健太郎 中村倫也 比嘉愛未 八木亜希子 森本レオ
製作:映画「先生!」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式HP:sensei-movie.jp
公式Twitter:@sensei_movie
映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』は、10月28日(土)新宿ピカデリー他 全国ロードショー